テクニカルインフォメーション

クランポン取り扱い上の注意

2003年時点の情報です

写真1.コバとトーベイルがフィットしていない例
 
写真2.2003年モデルの左右識別
 
写真3.従来モデルの左右識別
 
写真4.クランポンの長さはブーツ長と同じか少し短いくらいが適正です
 
写真5.ヒールレバーの固定強度調整機構
左:ベイルキーパー方式
右:ダイヤル方式
積雪期登山において、道具を正しく使用することは危険を回避する上での基本事項です。ここではクランポンの取り扱い上の注意点について説明します。
<クランポンとブーツのフィッティング>
クランポンを選ぶ時はブーツにぴったりフィットするモデル、サイズを選んで下さい。ステップインタイプの場合、ブーツのコバ形状とトーベイルの相性が悪いと使用中に外れてしまう可能性があります(写真1)。ご自分のブーツにお選びのクランポンが取り付けできることを、ショップスタッフに確認された上でご購入下さい。
<左右の識別>
クランポンは左右を正しく使用して下さい。クランポンの左右は下記の方法で識別できます。
◆2003年モデル:クランポンを上から見た時に、センターストラップに刻印された裸足のマークで識別できます(写真2)。
◆従来モデル:センターストラップに刻印されたL(左)、R(右)のマークで左右を識別できます。刻印がかすれて読めない場合は、センターストラップ先端に刻まれた切り欠きで識別できます。切り欠きはセンターストラップの外側にあります。つまり左足用では左側に、右足用では右側にあります(写真3)。
<長さ調整の注意点>
クランポンの長さはブーツ長と同じか、少し短く調整して下さい(写真4)。少し短くすることで、ヒールレバーを固定した時に前に押し出す力が働きます。ただし1cm以上は短くしないで下さい。1cm以上短くすると下りの時にかかとが最初に地面に触れるので、滑落の危険があり大変危険です。
<ヒールレバーの固定強度調整>
クランポンががたつかないようにヒールレバーはしっかりと固定して下さい。ほとんどのモデルはベイルキーパー方式の調整機構を備え、強弱2段階に固定強度を変えられます(写真5-左)。2003年モデルのバイオニッククランポンはダイヤル方式の調整機構を備え、固定強度の微調整が可能です(写真5-右)。
<手入れ>
クランポンの爪は常に鋭く保ってください。丸くすり減った爪では氷や硬い雪面で本来の性能を発揮できません。鉄工用の細目の平ヤスリを使って手で研いで下さい。グラインダーでの研磨は焼きが戻り脆くなりますので止めて下さい。使用後はよく乾燥させ、CRC5-56等の防錆潤滑スプレーを軽く吹き付けて下さい。
<ボルトのチェック>
クランポンを使用する前に全てのボルトに緩みがないことを確認して下さい。使用中も緩んでいないか常にチェックして下さい。
<中古品の使用>
中古品を使用しないで下さい。どのような使い方をされたのか履歴の分からないギアは信頼性に欠け大変危険です。