テクニカルインフォメーション

チートシートの使用方法

2007年時点の情報です

バックカントリーの行動中クライミングスキンは接着面どうしを貼りあわせて携行しますが、粘着力が強ければ強いほど、幅が広ければ広いほど、はがす時に大きな力が必要です。チートシートは貼り合わせたクライミングスキンをはがしやすくするために開発された、通気性に優れたナイロンメッシュ製のシートで、オフシーズンの保管時に接着力が低下することを防ぐ効果もあります。ブラックダイヤモンドのクライミングスキン(アセンションシリーズ、グライドライトシリーズ)には標準でチートシートが付属しています。また、チートシートは単体でも販売しており、クライミングスキンの幅に応じ85mmと130mmの2サイズをラインナップしています。
ここではチートシートの加工手順とフィールドでの使用方法、長期保管時の装着方法を解説します。
●チートシートの加工手順
チートシートを使用する場合、あらかじめ使用するクライミングスキンに合わせる加工が必要です。
1、付属しているチートシートを半分の長さに切ります、切りはなしたチートシート1枚がクライミングスキン1/2ペア分になります。(写真1)
2、スキーに合わせてトリミングを済ませたクライミングスキンを真ん中から折りたたみ、その間にチートシートを挟みます。(写真2)
3、クライミングスキンの接着面からはみ出した余分なチートシートの末端を5~10cmの余裕を残して切り取ります。
写真1.チートシートを半分の長さにカット 写真2.チートシートを挟む
●フィールドでの使用方法
1、スキー滑走面へクライミングスキンを装着する場合、スキーのトップにティップループをセットしチートシートをはがしながら貼り付けます。(写真3)
※気温が著しく低い時は、無理にチートシートを剥がそうとするとチートシートが裂ける場合がありますので、慎重に作業してください。
写真3.チートシートをはがしながら装着
2、クライミングスキンをスキー滑走面からはがしてチートシートをはさむ場合、スキーテールから半分だけクライミングスキンをはがし、接着面にチートシートを装着し(写真4)、次にスキートップにティップループをかけたままクライミングスキンを半分に折りたたみながら残りの接着面にチートシートを貼りつけます。(写真5)
※この方法は、強風の場合でも風にあおられにくく収納しやすい方法です。
写真4.テール側半分を先に貼り付ける 写真5.半分におりたたみながら貼り付ける
※クライミングスキン装着時の注意点
テール部分をフックで固定するクリップフィックス及び、STS(セキュア・タイト・システム)は、スキーのトップにティップループをセットした状態でスキン全体を均一に伸ばしながらテールフックを固定した後、接着面を貼り付けます。(写真6)
これはテールフックを固定しているリベットに負荷をかけ過ぎて、テールフック部分の生地を痛めないためです。

テール側を固定しないスタンダードスキンはしわにならないよう注意しながら、スキーのトップからテールに向かって貼り付けます。
写真6.均一に伸ばしながらテールを固定
●長期保管時の使用方法
左右のクライミングスキン接着面の間にチートシートを並べて挟みます。その時クライミングスキンは左右の形状をぴったりと合わせるようにし、接着面が露出しないようにしてください。(写真7、8)
※クライミングスキンは高温や水分にさらされると接着剤の性能が劣化します。長期保管する場合は乾燥した通気性の良い場所に保管してください。気温の変化の激しい車内やトランク、湿度の高い場所、結露しやすい場所、直射日光の当たる場所には放置しないでください。
写真7.チートシートを並べて挟みます 写真8.左右ワンペアで保管