テクニカルインフォメーション

クライミングスキンの選び方

2006年時点の情報です

現在、ブラックダイヤモンド社では「アセンション」と「グライドライト」という2つのシリーズでクライミングスキンをラインナップしています。
どちらも滑走性やグルー(接着剤)の耐久性には定評がありますが、いざ選ぶとなると「アセンションはオレンジ色」で「グライドライトがタイヤ柄」という見た目以外にどのような違いがあるのか気になるところです。ここでは、これら2タイプのクライミングスキンを選ぶ目安としてそれぞれの特徴をご紹介します。
アセンションスキン STS グライドライトスキン スタンダード
1.アセンションスキン
シーズン当初から残雪期までフルにツアーに出かけるようなヘビーユースに対応

このシリーズは、オレンジ色のプラッシュ(滑走面側の毛)を持ち、毛足は約3mmあります。ラミネート(芯材)には厚いものを採用していて、毛もやや立っています。(写真1)
そのため折り畳むと若干かさ張るというデメリットはありますが、生地本体の耐久性とザラメや硬い雪質でのグリップ性にとても優れています。生地が丈夫なことにより、スキン全体にテンションをかけるクリップフィックスタイプ(写真2)がラインナップされているのもこのシリーズの特徴です。
アセンションスキンは、携帯性よりも耐久性を重視する方に最適です。
写真1.アセンションスキンの断面図 写真2.クリップフィックス
2.グライドライトスキン
残雪期の使用がメインというようなツアーでの使用頻度が比較的少ないライトユースに対応

このシリーズは、タイヤ柄のプラッシュ(滑走面側の毛)を持ち、毛足はアセンションスキンとほぼ同じ約3mmあります。(写真3)ラミネート(芯材)にはアセンションスキンよりも薄いものを採用していて、毛も若干寝ています。そのためしなやかなハンドリングが可能でコンパクトに畳むことが出来、滑走性にも優れています。しなやかで滑走性が良いことにより、キッカータイプ(写真4)がラインナップされているのもこのシリーズの特徴です。
グライドライトスキンは、耐久性こそアセンションスキンに一歩譲りますが、携帯性と滑走性を重視する方に最適です。
写真3.グライドライトスキンの断面図 写真4.キッカースキン
3.グライドライトナイロン/モヘアスキン
パウダースノーが続くハイシーズン中、積極的にツアーに出かけるようなコアユースに対応

このシリーズは、一見すると旧来からあるモヘア材のプラッシュ(滑走面側の毛)のように見えますが、モヘア(天然)65%とナイロン(化繊)35%を混紡したクライミングスキンで、モヘアのしなやかさとナイロンの耐久性を合わせ持っています(写真5)。毛足は前記2タイプのナイロン製よりも若干短いですが、柔らかく滑らかなので、毛の奥まで雪が入りやすくなっています。そのため耐久性はナイロン製スキンに一歩譲りますが、新雪時の滑走性とグリップ性に優れています。また、毛足が短いことによりコンパクトに畳むことが出来るため、携帯性にも優れています(写真6)。
グライドライトナイロン/モヘアスキンは、価格が多少割り高でも新雪時の確かな性能を重視する方に最適です。
写真5.ナイロン/モヘアスキンの断面図 写真6.ナイロン/モヘアスキン