テクニカルインフォメーション

スノーパックの機能と特徴

2006年時点の情報です

06/07年秋冬のスノーパック新製品は、バックカントリースキーヤー、スノーボーダーのニーズを考え、板の装着やアバランチギアの収納方法を工夫しています。さらに今シーズンは、これまでにないアバラングを内蔵したパックも登場。バックカントリーで想定される様々な状況に対応できるようデザインされたBDスノーパックの新製品。ここでは、その特徴と機能をご紹介いたします。

左から:コバート、アナーキスト、コバートアバラング、アナーキストアバラング
1.Aフレームスキーアタッチメント(写真1)
この方法は、スキーの装着位置が身体に近くなるため(写真2)背負ったときの重量バランスがよく、長時間の歩行が続く状況に適しています。
注:アバラングつきパックはパックサイドに排気口があるためこの装着方法は使用できません。
写真1.
Aフレームアタッチメント
写真2.
スキーを身体に近く装着できる
2.ダイアゴナルスキーアタッチメント(写真3)
スキーをまとめて装着できるこの方法は、脱着がより素早くおこなえるので、短い上り返しを繰り返すような状況に適しています。Aフレームアタッチメントと比べると、足とスキーのクリアランスが大きいため、登行時にふくらはぎやかかとがスキーのテールにぶつかりにくいのもメリットです(写真4)。
スキーを固定する下部ストラップは、アバランチセーフティポケット内のトリグライドで長さを調節できます(写真5)。短くしてアックスホルダーにしたり、木の枝に引っかかりにくいようにしたりできます。
写真3.
ダイアゴナルアタッチメント
写真4.
スキーと脚のクリアランスが大きい
写真5.
左:最短、右:最長
3.バーチカルスノーボードアタッチメント(写真6)
コバート22、32はサイドコンプレッションストラップとダイアゴナルスキーアタッチメントを利用して、スノーボードとスノーシューを同時に取り付ける事ができます。アナーキストはサイドコンプレッションストラップと付属のストラップを使用することで同様に取り付けられます。
写真6.
バーチカルアタッチメント
4.アバランチギアの収納方法
緊急時に素早く取り出せるように、アバランチギアが効率よく収納できるアバランチセーフティポケットを装備しています(写真7:コバートのアバランチセーフティポケット)。
また、アバランチセーフティポケット前面パネルにはパッド(写真8:矢印部分)を内蔵し、装着したスキー、スノーボードと収納したショベルが干渉して起こるブレや擦れを防いでいます。
写真7.
アバランチギアを効率よく収納
写真8.
矢印部分にパッドを内蔵
5.ヘルメットホルダー(写真9)
アナーキスト、アナーキストアバラングには、雨蓋内にストレッチメッシュのヘルメットホルダーを装備し、ヘルメットをスマート・確実に収納することができます。
写真9.
ヘルメットホルダー
6.サイドアクセスジッパー(写真10)
アナーキスト、アナーキストアバラングには、小物の取り出しに便利なサイドアクセスジッパーをパックの左サイドに装備しています。
写真10.
サイドアクセスジッパー
7.パックの軽量化
コバート22、32、コバートアバラング22、32は背面パッドを取り外し110g軽量化することができます。背面パッドはパック内部、ボトム側にあるスリットから取り出すことができます。
8.アバラングパック
コバート、アナーキストのアバラング付きモデルは、雪崩埋没時に呼吸を確保するアバランチギア「アバラング」をビルトインしています。必要なときに「アバラング」の機能を簡単に使用でき、雪崩の危険性の少ないところではスマートに収納できます。
ショルダーハーネスにマウスピースとフィルター、バルブを内蔵し(写真11)、フィルターを通して雪中の空気を取り込みます。吐いた息はバルブでふり分けられ、パック本体内のチューブ(写真12)を経由し、顔から離れたパック下部の排気プレート(写真13)から排出されます。
アバラングパックは、今までの単体でのアバラングのような装着のわずらわしさや、装着忘れといった問題を解決する画期的スノーパックです。
注意:ノーマルのコバート32,22、アナーキストにアバラングを後付けすることはできません。
写真11.
ショルダーハーネスに内蔵
写真12.
パック本体内の排気チューブ
写真13.
パック下部の排気パネル
9.アバラングパック使用上のポイント
●マウスピースのセット位置
雪崩の可能性のある場所では、必ずマウスピースを口にくわえておくか、(写真14)のように雪崩に巻き込まれたときに速やかにマウスピースをくわえられるような位置にセットしてください。事前に何度もくわえる練習をすることでマウスピースのベストポジションを探り、素早くくわえる動きを習得できます。
●スキーを肩に担ぐときの注意
フィルターやチューブの破損防止のため、スキーを担ぐ時は必ず右肩で担いでください。左肩で担いだ場合、フィルターやパイプを破損する可能性があります、
●アバラングパック使用前には必ず取扱説明書をよく読み正しくお使い下さい。

アバラングについて詳しくは下記サイトをご覧下さい(英語サイト)。
www.avalung.com
写真14.
マウスピースのセット例