テクニカルインフォメーション

クランポンFAQ

2008年時点の情報です

クランポンの選び方、フィッティング、取扱い等について、役立つ情報をFAQ方式にまとめましたのでご覧下さい。
クランポンの種類の違いとは?
クランポンは固定方式の違いにより3種類に分類され、それぞれ以下のような特徴があります。
a.プロタイプ:爪先を金属製ベイル、かかとをヒールレバーと金属製ベイルで固定する方式。前後に深いコバがあり、硬いミッドソールを内蔵した本格的登山靴、テレマークブーツに装着できます。一般にワンタッチアイゼンと呼ばれ、固定強度に優れています。
b.クリップタイプ:爪先を樹脂製ベイル、かかとをヒールレバーと金属製ベイルで固定する方式。かかとに深いコバがあり、中程度以上の硬さのミッドソールを内蔵した縦走用登山靴に装着できます。爪先のコバの有無を問わない上、適度な固定強度があります。
c.ストラップタイプ :前後とも樹脂製ベイルで固定する方式で、汎用性に優れます。前後にコバが無くても装着でき、多少しなっても外れません。
アイス/ミックスクライミングに適したモデルは?
アイス/ミックスクライミング中心の使い方なら、氷壁に刺さりやすい縦刃フロントポイントを備え、デュアルからモノへの切り替えができる12本爪のサイボーグがお勧めです(写真)。縦走主体の使い方で入門的なアイスクライミングまでカバーするなら、横刃12本爪のセイバートゥースがお勧めです。
アルミ製クランポン(ネーベ)の適した用途は?
ネーベは軽さと携帯性を活かして残雪期のスノートレッキングや夏の雪渓歩き等に適しています。ソフトなフレックスセンターバーを採用し、トレッキングブーツとの相性も良好です。ストラップとプロの2種類がありますが、コバの深いテレマークブーツにはプロを使用して下さい。なお、アルミ製クランポンは材質が柔らかいので、雪面以外では早く消耗します。
クランポン選びで最も大切な点は?
クランポンと靴との相性が最も大切です。経験豊かなショップスタッフのアドバイスを受け、実際にブーツに装着して相性を確かめて下さい。コバとトーベイルの形状が合っているか、ソールのカーブにクランポンが沿っているか、アッパーとミッドソールの硬さは十分か、スキーブーツの場合はブーツの各種レバーとヒールレバーが干渉しないか等、細かい点までチェックして下さい。
アイス/ミックスクライミング用のブーツに
上手くフィットさせるには?
多くのアイス/ミックスクライミング用ブーツはソールが内側にカーブしており、場合によってはクランポンが上手くフィットしないことがあります。そんな時は別売のアシンメトリカルセンターバーに交換することでカーブにぴったり沿わせることができます(写真)。
スキーブーツに装着する際の注意点は?
多くのテレマークブーツは爪先のコバが登山靴より深いので、フロントポイントの突き出し量が登山靴の場合より小さくなります。テレマークブーツには突き出し量を大きく取れるプロバージョンを使用して下さい。トーベイルの位置を変えられるモデルなら、取り付け位置を後ろにすれば突き出し量を大きくできます(写真)。装着時にはヒールレバーがブーツ後方のレバー類に干渉しないかをチェックして下さい。
トレッキングブーツとのフィット感を高めるには?
フレックスセンターバー(写真)に交換することでフィット感を向上できます。フレックスセンターバーはネーベに標準装備されているスプリングスチール製センターバーで、しなやかかつ復元性に優れています。
フロントポイントの突き出し量を変更するには?
プロバージョンはトーベイルの取付位置を変えることでフロントポイントの突き出し量を変更できます(ネーベ除く)。トーベイルの根本にスリング等を巻き付け(写真左)本体をしっかり踏みつけながら引っ張ると外せます(写真右)。
サイボーグをデュアルからモノに切り替えるには?
同梱のスペーサーと短いボルトを使って切り替えできます。ただしモノに切り替えた場合、そのままではABSを装着できません。ABSのフロントポイントと干渉する部分を糸ノコでカットする必要があります(写真)。
持ち運び時の注意点は?
他のギアを傷つけないようにポイントをプロテクターで覆うか、厚手の収納バッグに収納して下さい。ブラックダイヤモンド・クランポンバッグ(写真)は堅牢かつ排水性があるのでお勧めです。