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テレマークバインディング、選び方のポイント

2008年時点の情報です

ブラックダイヤモンドのテレマークバインディングにはO1(オーワン)、O2(オーツー)、O3(オースリー)の3モデルがあります。ここでは、スキーヤーの体重、使用するブーツ、スキースタイルの違いによるバインディングとカートリッジの選び方を説明します。
グラフ1:縦軸がブーツの硬さ、横軸がスキースタイルを表します
1.ブーツフレックスとスキースタイルから選ぶ
左のグラフ1は縦軸がブーツの硬さ、横軸がスキースタイル(スピードや斜度、斜面の難しさ)を表しています。O1は硬いブーツでハードに滑る上級者向きと言えます。O2はもっとも対応範囲が広く、ミディアムクラス以上のブーツならばオールラウンドな使用が可能。O3はミディアム以下の硬さのブーツでツアーメインのスキーヤーやテレマーク初心者に適しています。自分に適したモデルが決まったら、次の2に進んでカートリッジの硬さを選びましょう。
グラフ2:縦軸がスキーヤーの体重、横軸がスキースタイルを表します
2.スキーヤーの体重、スキースタイルでカートリッジの硬さを選ぶ
左のグラフ2は縦軸がスキーヤーの体重、横軸がスキースタイルを表しています。体重が重ければスプリングにかかる負荷が大きくなるので、硬いスプリングカートリッジが必要となります。体重がありしっかりとしたブーツでハイスピードに滑る場合はスーパースティッフまたはミッドスティッフをお奨めします。ピステでもバックカントリーでもオールラウンドに使う場合はミッドスティッフをお奨めします。体重が軽く柔らかめのブーツでバックカントリーを楽しむ場合はミッドスティッフかフリーフレックスをお奨めします。
※パウダースキーがメインの場合は、柔らかめのカートリッジを選んだ方が内スキーのトップを上に向けやすく、より滑りやすくなります。また歩行時、踵を上げる際の抵抗も少なくできます。
写真1:トーベイルの違い
写真2:ケーブル出口の違い
3.バインディングの形状で選ぶ
O1、O2、O3はそれぞれトーベイル(つま先のコバ押さえ)やケーブル出口の位置など、形状が少しずつ異なります。これらの小さな違いが各モデルの特徴に大きな影響を与えています。
●トーベイルの違い(写真1)
O1のトーベイルは奥行きが最も深く、フラットな面が広くホールド性に優れた滑走性重視の形状です。O2はO1より奥行きをやや浅くすることにより、滑走性と歩行性を両立させた形状。O3は奥行きが最も浅く、トーベイル後部の立ち上がりも大きいため、踵の上げやすさを重視した形状となっています。
●ケーブル出口の違い(写真2)
写真2のように、トープレート上のケーブル出口の位置が3モデルとも異なります。最も後方にあるのがO1、次がO2、一番前方にあるのがO3です。トーベイルとケーブル出口の距離が長いほど、テレマークポジションを取ったときに、内スキーを面で押さえやすくなるため、ハイスピードでも安定したターンが可能となります。反面、踵を上げるときの抵抗は大きくなります。ケーブル出口が後ろにあるモデルほど硬いブーツに適しています。たった数ミリの違いですが、滑りやブーツとのマッチングに大きな影響を及ぼします。
  BD スカルパ ガルモント
クリスピー
ブーツソール長
O1レギュラー 26cm以上 25.5cm以上 25cm以上 305mm以上
O1スモール 25.5cm以下 22~26cm 22~25.5cm 305mm以下
O2レギュラー 26cm以上 26.5cm以上 26cm以上 315mm以上
O2スモール 25.5cm以下 23.5~26cm 22~25.5cm 315mm以下
カートリッジサイズ対応表(O1、O2)
O3はレギュラーカートリッジで全サイズ対応
4.カートリッジサイズを選ぶ
O1、O2のカートリッジはレギュラーとスモールの2サイズがあります。使用するブーツのメーカー、サイズによって適合サイズが異なりますので、左の表を参照してブーツサイズに合ったカートリッジを選んでください。
写真3:カートリッジの適正テンション
※カートリッジの適正テンション
バインディング装着時、カートリッジのテンションを最適な状態に調整してください。適正なテンションの目安はブーツを装着した状態で、カートリッジから銀色のスリーブナットが5~10mm(O3は6~8mm)露出しているのが適正なテンションです(写真3)。テンションが強すぎると滑走時の踵の動きを妨げます。また、テンションが弱いと踵を上げやすくなりますが、カートリッジが緩みやすくなりブーツが外れることもあります。また、滑走することでブーツのコバがバインディングのコバ押さえに少しずつ入り込み、最初に設定したテンションから弱くなっている場合があります。滑走前に踵を数回上げ下げした後、カートリッジのテンションが適正かどうか確認してください。
写真4:ヒールスローをヒールブロックに固定した状態
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インサートビス対応のスキーに取り付ける際の注意点
O1、O2、O3の各モデルは移動時のぶらつき防止のためにヒールスローをヒールブロックに固定することができます(写真4)。K2社製のインサートビスタイプのスキーではヒールブロック取り付け位置の微調整ができません。そのためブーツサイズよりも遠い位置にヒールブロックが取り付けられる場合があり、そのままヒールスローを固定するとテンションが強すぎて折れてしまうことがあります。このような場合、無理にヒールスローをヒールブロックに固定しないでください。
また、O3バインディングをインサートビスタイプのスキーに取り付ける場合には、O3専用のインサートビスが必要となります。弊社製品取り扱い店にてご注文ください。