新しく買ったスキンを使用するスキーの長さやサイドカットに合わせて、ぴったりとフィットさせる作業は、ひんぱんにすることではないので、なかなかコツがわかりません。ここでは、失敗しないフィッティングの方法を一般的なモデルであるSTSスキンを例にとってご紹介します。
■必要な工具
・トリムツール(製品に付属)
・はさみ
・2番のプラスドライバー
・プライヤー
・定規
・マジックペン
1.エラストマーストラップの4番目のスロットにテールフックを根元までしっかり入れる。
2.テールフックが根元まで入っていない状態。使用中に外れて紛失する場合があります。
3.アジャスタブルティップループがスキートップの適切な位置に取り付けられた状態
3-2.左の写真をスキー表側から見た状態
4.赤い点線でスキンをカットしたいが、スキンが上にあって位置決めがやりにくい。
5.スキートップに合わせてスキンを仮にカットして、その上にティップループを取り付けて位置決めをする。
6.ティップループの向きに注意してスキンに取り付ける。
7.プラスドライバー(2番)でネジ止めする。
8.ネジの飛びれている部分をプライヤーで取り除く。
■スキーの長さに合わせてスキンをカットする
1.
STS(スキン・タイト・システム)のテールフックをエラストマーストラップの4番目のスロットに掛けてテールに取り付けてください。このときテールフックを根元までしっかり差し込んでください(写真1)。差し込みが甘いとフィールドで使用中にいつのまにか外れて紛失してしまいます(写真2)。
2.
スキンのグルー(接着剤)面に貼ってある台紙を剥がし、テールフックをスキーテールの真ん中に取り付け、スキンをスキーの中心線に合わせて真っ直ぐピンと貼ってください。
3.
アジャスタブルティップループをスキーのトップに引っかけてください。写真3のようなポジションが適正です。
4.
アジャスタブルティップループの金属スリーブとスキンが重なる位置に印を付けます。このとき、スキンが上側にあるため印の位置がわかりません(写真4)。そこで少し手順は増えますが、写真のようにスキンをいったんトップ位置に合わせてカットし、その上にアジャスタブルティップループを取り付けると、簡単に位置決めができます(写真5)。
マジックペンで印を付けた位置で、スキンを長さ方向に対して直角に真っ直ぐ切ります。付属のトリムツールでも可能ですが、はさみを使うとより正確にカットできます。
■アジャスタブルティップループをスキンに取り付ける
1.
アジャスタブルティップループをスキンの切り口にスライドさせて取り付けます。取り付けの向きに注意してください。必ずアジャスタブルティップループのネジ穴が皿状になっている方がスキンのグルー面になるように取り付けます(写真6)。
2.
#2のプラスドライバーでアジャスタブルティップループをスキンにネジ止めします(写真7)。
※
注意:スクリューは軽く締め込むだけで十分です。締め込み過ぎに注意してください(規定トルク=0.56N-m)。
3.
全てのネジを取り付けてください。
4.
全てのネジの飛び出ている先端をプライヤーで取り除いてください。ネジの中間部に小さな切れ込みがありますので、その部分で折ってください(写真8)。
9.スキーの真ん中に貼って左側をトリミングする。
10.右に2mmずらして右側をトリミングする。
11.左に4mmずらして左側をトリミングする。
12.スキーの真ん中に貼ると、両側のスキーエッジが見える幅にトリミング完了。
■サイドカットに合わせてスキンをトリミングする
英語版取扱説明書では2回カットが説明されていますが、ここではよりきれいにフィッティングできる3回カットをご紹介します。
1.
スキンをスキーの中心線に合わせて真っ直ぐ貼り付け、スキン左側のはみ出した部分をトリムツールでトップからテールにかけてカットします(写真9)。
2.
いったんスキンを剥がし、スキーに対して右に2mmオフセットして貼り付け、スキン右側のはみ出した部分をトリムツールでトップからテールにかけてカットします(写真10)。
3.
いったんスキンを剥がし、今度はスキーに対して左に4mmオフセットして貼り付け、スキン左側のはみ出した部分をトリムツールでトップからテールにかけてカットします(写真11)。
4.
トリミングは以上で終わりです。スキンを剥がしてスキー中心線に対して真っ直ぐ貼り直すと、スキーエッジがちょうど見える位の幅にきれいにトリミングされたことがわかります(写真12)。
13.金属スリーブをスライドさせる。
14.フリーになっている末端を目的のソケットに入れる。
15.エッジプロテクターを押してケーブルの長さを左右対称にする。
16.ケーブルが左右均等にセットされた状態。
■アジャスタブルティップループの調節
1.
ケーブルループをスキンの方に倒し、金属スリーブをスライドさせ、ケーブルループのフリーになっている方の末端だけを新しいソケットに移動させてください(写真13、14)。左側末端は固定ですので動かしません。
2.
フリーの末端を新しいソケットに移動させたら、スリーブを固定される位置までスライドさせて戻してください。
3.
ケーブルループが左右対称になるようにケーブルエッジプロテクターをスライドさせてください(写真15、16)。ケーブルエッジプロテクターはケーブル上で引くよりも押した方が簡単にスライドさせることができます。
17.スキン全体にテンションを加えながら貼る。
18.テールフックを取り付ける。取り付けが甘いときはスロットの位置を移動させて調整する。
■STSスキンの貼り付け方
1.
アジャスタブルティップループをスキートップに引っかけ、テールに向かってテンションをかけながら、STSストラップのクリップをスキーテールに取り付けます。このとき、スキン全体にある程度のテンションがかかっている状態で貼ってください(写真17)。テールフックのテンションが甘い場合はストラップへの取り付け位置を変えることで調整してください(写真18)。
※
注意:テンションがかかっていない状態でスキンを貼った後、エラストマーストラップだけを引っ張ってテールフックと取り付けてしまうと、ストラップ取り付け部に負担が加わり傷みの原因となります。
最後にスキンを上から手で押さえてしっかりと貼ってください。これでSTSスキンのセットアップは終了です。それでは、軽快なシール登高を!!