SCARPA

2010

登山靴のお手入れ

登山靴の寿命は、お手入れや保管方法に気を遣うことで、ぐんと長持ちさせることができます。
ここではご購入時と普段のお手入れ、保管時の注意点についてご紹介します。

■ご購入時のお手入れ

・スエード、ヌバック、ナイロン、人工皮革の場合:靴紐を外してアッパー全体に撥水スプレーを軽くスプレーして下さい(写真1)。

撥水スプレー使用イメージ
写真1

・ワッサーなどの表出し革の場合:靴紐を外してアッパー全体に少量の保革クリームを薄く伸ばし(写真2)、柔らかい天然ブラシでブラッシングして下さい(写真3)。

保革クリーム塗布イメージ
写真2
ブラッシングイメージ
写真3

■普段のお手入れ

汚れをしっかりと落とし、きれいに保つことが長持ちの秘訣です。使用後は靴紐を外し、天然ブラシでブラッシングして下さい。埃がたまりやすいベロの折り目や鳩目周りも念入りにブラッシングして下さい。ソールに詰まった泥は水で洗い流して下さい。きれいにしたらインソールを外して乾燥した場所に陰干しして下さい。

■素材別のお手入れ

<スエード、ヌバック>

・お手入れに必要なもの(写真4):a.天然ブラシ、b.スエードブラシ、c.スポンジ d.スエードシャンプー、e.スエードスプレー

a.天然ブラシ、b.スエードブラシ、c.スポンジ、 d.スエードシャンプー、e.スエードスプレー
写真4

・普段のお手入れは、靴紐を外して天然ブラシでブラッシングして下さい(写真5)。最後に一方方向に毛並みを立たせ、スエードスプレーで仕上げて下さい(写真6)。

ブラッシングイメージ
写真5
スエードスプレー使用イメージ
写真6

・汚れがひどい時は金属ブラシを植え込んだスエードブラシでまんべんなくブラッシングし、埃を掻き出します(写真7)。様々な角度からブラシを当て、根気良く掻き出して下さい。

汚れがひどい時のブラッシングイメージ
写真7

・ブラッシングでは取れない汚れは、スエードシャンプーを使った水洗いが効果的です(写真8)。スポンジにシャンプーを含ませ、円を描くように泡立てて汚れを浮立たせます。水洗いでしつこい汚れも落とすことができます(写真9)。陰干しして乾いたらブラッシングで毛並みを立たせ、スエードスプレーで仕上げて下さい(写真5、6)。色あせが気になる時はスエード用の補色剤で補色して下さい。

スエードシャンプー使用イメージ
写真8
お手入れ前/お手入れ後
写真9

<表出し革>

・お手入れに必要なもの(写真10):a.天然ブラシ、b.ステインリムーバー、c.無色クリーム、d.色付クリーム

a.天然ブラシ、b.ステインリムーバー、c.無色クリーム、d.色付クリーム
写真10

・普段のお手入れは、天然ブラシでブラッシングし、埃を取り除いて下さい。
・革の栄養が無くなってきたら保革クリームを塗って下さい。古いクリームを残したまま塗り重ねると通気性を損なうので、塗る前にステインリムーバーで古いクリームを拭き取って下さい(写真11)。
・傷が目立つ箇所には同色系の色付クリームを入れると傷が目立たなくなります(写真12)。

保革クリーム塗布イメージ
写真11
色付クリーム塗布イメージ
写真12

<ナイロンや人工皮革>

ナイロンや人工皮革などシンセティック素材には保革の必要がありません。普段はブラッシングして埃を落とし、撥水スプレーで仕上げれば結構です。汚れがひどい場合はナイロンブーツ用の洗剤で水洗いし、陰干ししてしっかりと乾かして下さい。 (写真13:シンセティックモデルのシャルモGTX)

シャルモGTX
写真13

■保管時の注意点

湿気や熱気はカビ、ランド剥がれ、ポリウレタン劣化などの原因となります。特にカビは一旦生やしてしまうと取り除くのが難しく、悪臭の原因となり、靴の寿命を大きく損ないます。箱詰めでの保管は、通気性が悪くカビの原因になるので厳禁です。風通しの良い場所に保管するのが理想的ですが、靴棚に保管する場合でもたまに戸を開けて湿気を逃がしたり、靴をしばらく出してあげて下さい。吸湿のために木製シューツリーや吸湿剤を使うのも良いでしょう。