SCARPA

2003

ポリウレタン使用トレッキングブーツの経年劣化

現在のトレッキングブーツの衝撃吸収材として多用されているポリウレタン材は、アッパーとアウトソールの間に挟まれる形で貼られています。(写真1・2)

1. ポリウレタン材を使用したブーツ
2. ポリウレタン材を使用したブーツ

このポリウレタン材は、軽量で耐摩耗性に優れており、適度な衝撃吸収性を持っている特性がありますが、一方で使用頻度や保管状態によっては性質が劣化して突然靴底が剥がれたり、破損してしまう場合があります。

一般的には、製造後5年程度がその寿命とされていますが、使用頻度や、お手入れ方法、保管状態等によっては寿命が短くなることがあります。破損原因の多くは温度と湿度による経年劣化(年月とともに強度が低下する現象)です。

安全な山中歩行をして頂くために、ご使用前にはブーツにソール剥がれが無いかどうか、安全点検を必ず行ってください。万一、山中でソール破損が生じた場合には、紐やテープなどで応急処置をして(写真3)速やかに下山してください。異常のあるブーツのご使用は事故を誘発し身体、生命に重大な危険を及ぼす可能性があります。

3. テープでの応急処置の例

適切な保管場所は、通気性や風通しの良い場所です。ビニール袋等によって密閉せず、高温多湿になる場所(ベランダ、物置、車のトランク等)は避けて下さい。押し入れや靴箱等に保管する場合も、定期的に風通しの良い場所で陰干しをして下さい。

ポリウレタン材使用の有無に関するご不明点は、弊社ユーザーサポートまたはご購入頂いたショップにご相談ください。