2007
スカルパ イントゥイションインナーの特徴
バックカントリースキーを楽しむスキーブーツには、パワー伝達性と快適性の両立が求められます。特にシェルと足とをつなぐインナーは、足の動きをダイレクトに伝えられるフィット感の良さと、長時間履いていても快適なことが重要です。
2007/2008シーズン、スカルパ社が新しく採用したイントゥイションインナーは、アルペンツーリング(AT)ブーツとテレマークスキーブーツのカテゴリーにおいて、独占採用している熱成形インナーです。採用モデルは、フリーライドブーツのハリケーン、ATブーツのスピリット4、ディーバ、F3、テレマークスキーブーツのTレース、T1、T1レディの合計7機種です。ここでは、この新しいイントゥイションインナーの特徴についてご紹介します。

1. 優れたフィット感を実現する熱成形方法
イントゥイションインナーは、インナーをシェルから抜き取ることなく、ブーツを直接専用の筒状ヒーターにセットし、内部を暖めて熱成形するタイプのインナーです。(写真1)
内部を暖め終えたイントゥイションインナーは、そのまますぐに装着して成形行程に入れるため、効率よく足形を成形することができます。同時に足裏のフットベッド部分も成形されるため、インソールを入れなくても使用することが出来ます。もちろんインソールを入れて熱成形することも可能です。
また、イントゥイションインナーは内側の周囲に縫い目がないため、足とインナーとの一体感が高まり最高のフィット感が得られます。(写真2)


2.インナー本体に剛性感がある
イントゥイションインナーは、内側だけを柔らかくして成形するため、インナー本体に剛性のある素材を使用することができます。特に、すね回りとアキレス腱から脹脛部分には固い素材を使用した補強を施すことで(写真3)インナー自体がねじれにくくなり、パワー伝達性能が高まります。これによりレスポンスの速いスキー操作が可能になります。

3.軽量でヘタリ感が少ない
イントゥイションインナーの素材には、Ultralon EVAフォーム(以下EVAフォーム)が採用されています。このEVAフォームは、一般的な熱成形インナーの素材であるポリエチレンフォームと比較すると、密度と弾力性が2倍~3倍高く、かつ軽量という特性があります。この特性からイントゥイションインナーは、使用によるヘタリが少なく、バックカントリースキーでのアグレッシブな滑走や長時間歩行での耐久性に優れています。また、EVAフォームは、保温性に優れ、濡れても直ぐ乾く速乾性も兼ね備えているので、バックカントリー用スキーブーツのインナーとして最適な素材といえます。
4.モデルごとに異なるパフォーマンスを設定
2007/2008シーズンモデルに採用されているイントゥイションインナーは、1種類ではありません。モデルごとにパフォーマンスを最適化したインナーが組み合わされています。
- ・ イントゥイションインナー スピード:ハリケーン、Tレースに採用(写真4)
- 優れたサポート性能とパワー伝達を発揮するハイカットのトップエンドモデル。アグレッシブスキーヤーのハードな滑りに対応します。

- ・ イントゥイションインナー プレシジョン:スピリット4、T1に採用(写真5)
- スピード同様のハイカットインナーで、ハードなサポート感と長時間ツアーの快適性を両立したモデルです。ピステからバックカントリースキーツアーまで幅広い用途に対応します。

- ・ イントゥイションインナー プレシジョンレディ:ディーバ、T1レディに採用(写真6)
- サポート感と快適性を両立したプレシジョンのレディスモデル。ディーバ、T1レディの白いシェルに合わせたカラーリングを採用しています。ディーバ用とT1レディ用とではシェルのカフの高さに合わせてカットの高さが異なります。

左(カフが高い)=T1レディ用
右(カフが低い)=ディーバ用
- ・ ユニバーサルインナー:汎用のイントゥイションインナー
- Ultralon EVAフォームを使用した汎用タイプのインナーで、他社のスキーブーツにも使用出来るモデルです。