FOCUS
ティミー・カンのビショップハイボールプロジェクト

2023.11.17

ビショップを象徴する5つのハイボール課題がある。
BDアスリートのティミー・カンは、1日でそれら5課題を登り切る試みを行った。

Black Diamond Presents:
Focus—A Bishop Highball Project with Timmy Kang
Video:
Bobby Vannoy & Brennan Robinson
Photography:
Victoria Kohner

ビショップ*のハイボールをティミー・カンが初めて見た時、すぐに取り付きたいと思ったそうだ。だがそういうクライマーはめったにいないだろう。控えめに言ったとしてもだ。

その日ティミーのコーチは危険な高さまで彼を登らせなかったが、ティミーがハイボールに手を出すまでにはそう時間はかからなかった。

そしてビショップを代表する5つのハイボール課題を完登。Footprints(V9)、Ambrosia(V11)、Too Big to Flail(V10)、 This Side of Paradise(V10)、Evilution Direct (V11)の5課題だ。

だが、彼にはまだ残る一つの目標がつきまとっていた……「1日ですべて登ることができるのか?」。
そして2022年12月5日、ティミーは夢を実現した。ビショップへ執念を注ぎ込んだ日々は幕を閉じたのだった。

* 米国カリフォルニア州にある有名なボルダリングエリア

ティミーの体験談

10年前に初めてビショップに来た時は「限界に挑戦するに値するのはクライミングだ!」とすぐに感じたんです。でも最初に行った時から毎年、巨大なボルダーには苦しめられましたね。

その後何本かのラインに惹きつけられました。印象的で、歴史があり、強度も高いラインです。この6年間でこれらをひとつひとつ登っていき、自分の心やコンフォートゾーンにもっと挑戦してみたいと思うようになりました。

ハイボールは恐いです。私はロボットじゃないですから。高度感や不信や恐怖をはっきり感じます。気分が悪くなって吐き気を催すのもしょっちゅうですよ。

そこでどうするかというと、正しく意識してコントロールできるように、時間と準備を費やすんです。そうしておけば、いざやろう思ったときに、気持ちを切り替えて登れるのです。