テクニカルインフォメーション

トレッキングポールのメンテナンス

2007年時点の情報です

ご愛用のトレッキングポールも、使用後のお手入れによっては不意のトラブルの原因になり、トレッキングの快適さを削ぐことになりかねません。
ここでは、トレッキングポールを良い状態で長くお使いいただくため、「使用後」と「その他」に分けて簡単なお手入れ方法をご紹介します。
●使用後のお手入れ
家に帰ってきたら…
1. フリックロック/バイナリを解除して各シャフトをのばし
2. グリップやシャフトの水分や汚れをよくふき取り、
3. 十分乾燥させてください。
シャフト内部に水分が残ると、写真のように白く粉を吹いたような状態になり腐食する恐れがあります。このようになると最悪の場合、シャフトや長さ調節機構(バイナリシステム)が固着して調節ができなくなる可能性があります。
注意:シャフトには防錆剤、オイル、シリコン等を塗布しないで下さい。シャフトの調節/固定が甘くなる恐れがあります。
腐食してしまったシャフト。
このようになってしまう前に、帰宅後の手入れがかかせない。
●定期的なお手入れ
使用後の手入れの他に、適宜フリックロックシステムやバイナリシステムの点検、調節を行って下さい。特に使用前にはトラブルを未然に防ぐためにも点検をおすすめします。

[ フリックロックシステム ]
フリックロックのレバーが緩かったり堅かったりする場合には、フリックロックシステムの固定強度調節ねじをNo.2プラスドライバーまたはマイナスドライバーで調節して下さい。
調節は以下の要領でおこなって下さい。
1. カムレバーを開いた状態で、
2. 緩い場合は、ねじを時計回しに、
3. 堅い場合は反時計回しに1/4から1/2ずつ回転させ、
4. 調節したら、カムレバーを閉じます。
5. ポール上方からゆっくり体重をかけ、シャフトが縮まないか固定強度を必ず確認して下さい。
カムレバーが渋くなった場合、少量の潤滑防錆剤をカムレバーのピン、カムレバーとカム本体の接触部分に塗布し(下図参照)、余分なオイルはふき取って下さい。シャフトに潤滑剤が付着しないよう、十分注意を払って下さい。
カムレバーの動きが渋くなった場合は、赤矢印で示した箇所に注油する。
[ バイナリシステム ]
シャフト位置を固定するスプリングピンに、少量の潤滑防錆剤を塗布してください。固定状態でスプリングピンを押しながら下段シャフトを引き抜くと取り外すことができます。
塗布した後は余分な防錆剤をふき取り、写真のようにスプリングピンを押しながらシャフトを挿入してください。入り口に設けられたミゾにピンを合わせると、ピンを指で押さずに挿入することもできます(スパイアを除く)。
頭が赤く塗られたスプリングピンを押しながら、上段シャフトに挿入していく