登山靴を安全にご使用いただくために
現在、登山靴のミッドソール部分には、着地のショックを和らげるためにPU(ポリウレタン)やEVA(エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)という、軽量で優れた衝撃吸収性をもつ素材が使われています。PUやEVAは、アウトソール(靴底)と靴本体との間に挟み込むかたちで接着されていますが、PU、EVA、接着剤は時間の経過や高温(注1)により劣化してソールが破損したり剥がれたりする原因となります。
注1: 気温50℃を超えるような場所(夏場の車内やストーブの前など特定の環境を指します)
ソールの構造例
ご使用前に点検してください
PU、EVA、接着剤が劣化していることを知らないまま登山に出かけ、山行中に不具合が発生すると怪我や生命の危険につながります。
登山靴をご使用の前に異常がないことを必ず確認してください。また、製造より年数が経過した登山靴は、点検時に異常がなくても、安全のためにソールの交換をお薦めします。
PUの劣化
接着剤の劣化によるソールの剥がれ
点検のポイント
  • ソールやランドラバーに剥がれや隙間がないか
  • ソールが著しく摩耗・損傷していないか
  • ミッドソールの素材や接着剤が劣化していないか(下記)
  • ※ 縫い目、靴ひも、内装なども確認して必要に応じて修理・交換してください。
ミッドソール素材(PU、EVA)の劣化の点検
PUやEVAの劣化は外観に現れないことがあります。見た目は新品同様でも著しく強度が低下していることがありますので、ミッドソールにコインなどを押し付けて劣化の程度を確認します。
もし、簡単にコインなどがミッドソールにめり込んだり崩れたりする場合は、ソールがいつ崩壊してもおかしくない危険な状態です。登山靴を継続して使用するためにはソールの張り替えが必要です。
※ ソールの張り替えができないモデルは製品の寿命です。再利用されないよう確実に廃棄してください。
コインがめり込む
簡単にPUが削れる
接着剤の劣化の点検
手で力を入れてソールが剥がれるかどうか試します。少しでも剥がれる兆候が見られるようなら、接着剤の劣化が進行しています。登山靴を継続して使用するためにはソールの張り替えが必要です。
※ ソールの張り替えができないモデルは製品の寿命です。再利用されないよう確実に廃棄してください。
応急処置
万一、山行中にソールが破損した場合には、テープやひもで応急処置を施して速やかに下山してください。
布テープでの応急処置
アクセサリーコードでの応急処置
ミッドソールの寿命はおよそ5年
一般的にミッドソールおよび接着剤の寿命は製造後5年程度とされていますが、不適切に取り扱うと劣化のスピードが早まります。
登山靴をより長くご使用いただくために、適切なメンテナンスと保管を行なってください。
適切なメンテナンス
  • 使用後は汚れを落としてから日陰で完全に乾燥させる
  • 乾燥時に熱源(ストーブ、ヒーター)に近づけない
適切な保管
  • 通気性の良い場所で保管する(室内の温度管理された部屋が理想的)
  • 高温多湿になる場所(ベランダ、 物置、 車の中)は避ける
  • 箱やビニール袋に入れない(通気を阻害して劣化を早めます)
  • 使用していなくても、定期的に風通しの良い日陰で乾燥させる
使用頻度
登山靴を長期間保管したままにすると、保管しないで使うよりもミッドソールの劣化スピードが早まることがあります。適度な頻度で使い、毎回の使用後に適切なメンテナンス・保管をすることが登山靴をいたわり、長持ちの秘訣になります。
ご不明点等ございましたら お問い合わせフォーム よりご質問ください。


このページは2023年12月27日時点の情報を元に作成しています
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