ヘイゼル・フィンドレイ メンタルトレーニングシリーズ:PART3ーより強いメンタルを手に入れるには

2017.4.24

ブラックダイヤモンドアスリート、ヘイゼル・フィンドレイは肩の手術から順調に復活し、つい最近、自身のレッドポイントグレードを更新した。フィンドレイは、自分の一番の強みはボディではなくメンタルの強さだ、と語る最初のアスリートだろう。コーチとしての経験から彼女は言う。「いくつかの単純なコツを知れば、ほとんどのクライマーがメンタルを強化し、岩場で今以上のパフォーマンスを出せる」と。それはどんなコツなのだろうか。彼女の話を聞いてみよう。


私はつい先日、スペインのオリアナでマインドコントロール(5.14c)を完登し、最高レッドポイントグレードを更新できました。でも、このルートの今までの完登者の中で、私は最も弱い部類のクライマーでしょう(私の方が弱い!と思う人がいたら教えてください)。私の一番の強みは、健全なマインドセットを持っていることだと思っています。

岩場での観察やコーチングの経験から気付いたのですが、登れないのは自分の心が原因なのに、フィジカルの弱さが問題だと多くの人が思っているのです。というわけで、これから、私が思い通りのパフォーマンスを出すために使っているメンタルトレーニングの技術について、お話ししましょう。

1)「なぜ」と自分に問いかける

Hazel Findlay on Mind Control (5.14c).
Image:
Jonny Baker

まず初めに、そのプロジェクトを登りたいと思う動機は何か、と自分に問いかけてみましょう。プロジェクトを持つ、ということはすなわち、膨大なエネルギーと時間を費やして達成したい長期的な目標がある、ということです。プロジェクトを登るために、私たちはベストを尽くし、身体的な限界に挑みます。そしてまた、そこから多くのことを学びます。

最初に多くの人が直面する問題は、彼らのモチベーションが、成果に向けられ過ぎているということです。彼らは、何か新しいことを学ぶためにあるプロジェクトを選ぶのではなく、特定のルートを「完登した」、または特定のグレードに「達した」状態になりたいためにプロジェクトを選んでいるのです。

もしもこれがあなた自身のことを言い当てられているように聞こえるとしたら、なぜそのルートを登りたかったのか考えたことはありますか?そのグレードを登れると仲間に言いたいから?女の子をゲットするため?今までそのルートにトライしすぎて、今更諦めることができないから?インスタグラムで完登を報告したら、多くの人が驚くと思ったから?

残念ながら、このようなモチベーションは(よくありがちですが)、最高の結果には結びつきません。問題は、これらは全て、まだ起こっていないということです。まだ現時点では実体のない、自己顕示欲から生まれた目標のために、何度も岩場に通い詰め、核心でのクリップをとばし、限界まで頑張り続けるのは、とても困難なのです。成果を意識し過ぎると、本当に意識を向けるべき事柄を見失ってしまいます。本当に意識を向けるべきなのは、今現在あなたがやろうとしていることです。

このような目標は「恐れ」から生まれたものでもあります。どういうことかと言うと、あなたが心の中で「恐れ」を感じているから、成果に意識が行ってしまうのです。一番になれない恐れ、失敗者になってしまう恐れ、スポンサーをがっかりさせてしまう恐れ、女の子をだれもゲットできない恐れ、などなど。

恐れに起因するモチベーションで登ることは、ハッピーなモチベーションで登ることよりも、はるかに非生産的です。ハッピーな気持ちで夢中でランニングして1000マイル走れそうに思える時と、走らなくてはならないからと義務感でランニングした時を思い出して、比べてみてください。クライミングでも同じです。ハッピーなクライマーは生産的です。恐れに押し潰されてしまうことはありません。

では、私たちは何をモチベーションとするべきなのでしょうか?それはいわゆる「プロセスゴール」であるべきです。例えば「強いクライマーになりたい」、「自分自身をチャレンジさせたい」、「限界の課題に挑戦する心の強さを磨きたい」といったものです。私の場合、マインドコントロールを登ることを成果目標としていた一方で、怪我から復帰直後の身体の調子を上げることを、より大きなプロセスゴールとしていました。

プロセスゴールがあると、いわゆる「成長マインドセット」も身につけるようになります。「成長マインドセット」とは、自分の能力はまだ発展途上で、岩を登るごとに日々クライマーとして成長できる、という考え方です。じゃあ、なぜプロジェクトが必要なのかって?成果目標やプロジェクトは、あなたが学びに集中し、あなたのエネルギーを引き出すために必要なのです。

余談

フォールしたり失敗したときのリアクションを見れば、その人のモチベーションがどこにあるのかが分かります。もしも叫んだり大声をあげて、世の中が全く嫌になったという感じで家に帰るようなら、その人の関心は成果にのみ向けられていて、その人のモチベーションは恐れに起因するものでしょう。フォールしても笑顔で振る舞い、こういう日はクライマーとして成長できる日だと理解しているのなら、その人のモチベーションは健全で、簡単に崩れることが無く、従ってより強固なものであることは明らかです。

2) 自分で自由に挑戦するルートを決める

それでは、あなたが健全なモチベーションを持っていると仮定しましょう。あなたは自分で自由にトライするルートを選ぶことができます。あなたがそこにいたいと思うような場所にあるプロジェクト、そしてあなたを奮い立たせてくれるようなプロジェクトを選びましょう。地元の岩場にある、最後の残り物のような岩壁にあるルートに1年間トライしたとしても、あなたはクライマーとして成長するでしょう。でも、退屈しそうにない、本当に楽しいルートをプロジェクトに選んだ方が、モチベーションを維持しやすいはずです。

3) 何を犠牲にしようとしているのか、改めて考える

長期的な目標を達成するには、自分自身の時間とエネルギーだけでなく、他の物事も犠牲にすることになります。あなたのことをビレイするために同じ岩場に何度も足を運ぶことになるパートナーは?あなたの仕事のキャリアや、他の趣味は?仕事と家族以外にそんなに多くの時間を割くことができますか?そして、もっと大きな問題。どの程度までの犠牲なら許容することができますか?

4)「辛い」日々はそれでもなお素晴らしい

辛い日々に耐えるのは避けられないでしょう。ルートがとてつもなく難しく感じた日。ホールドが壊れてしまった日。12歳の女の子にプロジェクトを簡単に登られてしまった日。このような日々は、実は、あなたにとって意味のある日々なのです。あなたはその日々から何かしら学んでいるのです。こんな日には、こう自分に問いかけてみてください。簡単に登れるようなルートを登りたかったの?そうだとしたら、なぜ易しいルートではなくハードなプロジェクトにトライしようと思ったの?あなたは自ら挑戦することに決めた、ということを思い出してください。辛い日々は挑戦のプロセスの中の一部分なのです。

5) プレッシャーは友達

私がマインドコントロールにトライしに行った時、雨予報になりました。雨が再びルート上部を濡らしてしまうことを考えると、トライできるのは実質2日間しかありませんでした。1日目は、完登することができませんでした。そのため、2日目が、最後の完登のチャンスとなりました。プレッシャーがあった方が良いパフォーマンスを出せる人もいれば、そうでない人もいます。良いパフォーマンスを出せる人は、プレッシャーを味方につけているのです。

これから、そのやり方をお話しましょう。

まず最初にするべきは、プレッシャーについての考え方を改めることです。もしあなたがプレッシャーをネガティブなものとして捉えているのだとしたら、それを一旦やめて、正反対の捉え方をしてみてください。プレッシャーで神経質になることで、あなたの岩に対する感覚は鋭敏になるでしょう。少々プレッシャーがあることによって、あなたの持つパワーは少しだけ大きくなるでしょう。これまでの人生で、あなたはプレッシャーの中で(クライミングに限らず)良いパフォーマンスを出してきた、ということを思い出しましょう。

  • プレッシャーがあるということは、あなたにはそれをできる能力がある、ということを意味します。高いプレッシャーが生じるのは、あなたがそれを達成するチャンスがあるときだけです。ですから、あなたの身体はそのルートを登る能力がある、ということを自分に言い聞かせましょう。あなたの邪魔をするのは、あなた自身の頭です。幸運なことに、あなたは自分の心をコントロールすることができます。そして、プレッシャーは、あなたの心が登ることに集中するのを助けてくれるのです。
  • そのルートを登れるか登れないか分からないということを、ワクワクすることと捉えましょう。もしもあなたが事前にそのルートを完登できるかどうか分かっていたら、クライミングはどんなに退屈でしょうか?
  • モチベーションの源に立ち返りましょう。それが純粋なものであれば、失敗するかどうかなんてどうでもいいはずです。一生懸命に挑戦したのなら、あなたは何か新しいことを学んだはずです。それはつまり、クライミングをマスターするための道のりを一歩進んだということです。これ以上何を求めますか?もしもそれ以上のものを欲しているなら、それはきっとあなたのエゴから生まれた欲求です。あなたのエゴは満たされることはありません。完登できれば満たされるはずだって?いいえ、終わりはありません。あなたは常によりハードなクライミングを求めるでしょう。常にどこかに新たなプロジェクトが待ち構えているでしょう。現在取り組んでいるルートは、きっと次のプロジェクトへの小さな踏み台なのです。
Image:
Bernardo Gimenez

6) 視覚化は有効なツール

  • 「メンタルビジュアライゼーション」、つまり、ある特定のムーブを頭の中でイメージしてリハーサルすることによって、神経系の繋がりを洗練させ、そのムーブを自分に馴染ませることができます。フィジカルトレーニングをしなくても、そのムーブに習熟することができるのです。雨が降ってしまうとプロジェクトにトライすることができません。でも、心配無用。頭の中でリハーサルすることはできるのです。
  • ある研究によると、これから起こってほしいことを視覚的にイメージする人は、起こってほしくないことをイメージする人や、何もイメージしない人よりも、成功する可能性が高いそうです。ムーブに限らず、どんなことでも視覚的にイメージすることができます。フォールしても怖がっていない様子。ボルトを越えてランナウトしても勇敢に進んでいく様子。クライミングコンペで落ち着いている様子。そして、完璧に集中して目標のルートを完登する様子をイメージできるはずです。

視覚化の方法

  • 静かで自分しかいない場所を見つけましょう。座るか、横になるかします。そして、目を閉じてください。
  • おそらく、あなたは、クライミングシューズを履いているところを想像するでしょう。目標のルートにトライすることに興奮しながらも、落ち着いて、幸せな気持ちになっているでしょう。
  • そして、最初のムーブを起こします。想像してください。足をどこに置くか。手をどこに置くか。ホールドを持つとどのように感じるか。そのルート中の全てのムーブ、クリップ、レストについて、このように整然とイメージしていきましょう。時間をたっぷりと使ってください。
  • あなたは、終了点に到着し、最後のホールドを掴みながらロープを手繰り、それを終了点のチェーンにクリップします。
  • クライミング中に見る物を、正確に想像して頭の中に描くのは難しいと感じるかもしれません。視覚化をしている間、「正確に」イメージできていないのではないかと多くの人が心配します。しかし、そのことについてあまり気にしなくても大丈夫です。ホールドを掴んだとき、どのように感じるか思い出しましょう。右足をクロスさせるとき、どのように感じるか思い出しましょう。重要なのはそこです。
  • 忘れてはいけない最も重要なことは、繰り返すことです。視覚化は、繰り返し行わないと機能しません。ムーブを自動化するためにルートを繰り返し登る必要があるのと同じように、ビジュアライゼーションをあなたの頭の中で機能させるためには、それを何回も繰り返す必要があるのです。

7) 墜落を少しでも恐れると、ルートの難易度を上げてしまう

  • ホールドを必要以上に握りすぎていたり、ちゃんとリラックスできていなかったり、もしくは、次のボルトまでの距離に意識が向けられてしまっているとき、あなたは貴重な心のエネルギーだけでなく、身体のエネルギーまでも浪費してしまっています。クリップを飛ばせば、そのプロジェクトを次のトライで登る力があるのに、怖いからという理由でそうしないクライマーをたくさん見てきました。墜落しても安全なのであれば、クリップを飛ばさない理由はあるでしょうか?そこで節約されたエネルギーは、2週間分のジムトレーニングと同じくらい価値があるのです!私にとっては、これは「考えるまでもないこと」なのです。
  • もちろん、もしもあなたが墜落を恐れているなら、あなたの心は大きなフォールを許容することはできないでしょう。このような場合は、フォールの仕方を練習すべきです。アーノ・イルグナー氏の著書『Espresso Lessons』には、そのための素晴らしい練習方法が載っています。もしも、それでも恐怖心が無くならないのであれば、コーチを探して相談してみましょう。
  • 核心部、または、ランナウトするセクションからのフォールを練習しましょう。その部分のムーブができるかどうか分からなくなってしまうので、あなたはクイックドローを掴みたくない。一方で、フォールもしたくない(このような状態に陥る人をたくさん見てきました)。プロジェクトに挑戦するということは、すなわち、自分の限界のクライミングにチャレンジするということです。そのため、身体も心も、どこでフォールしてもいいよう準備しておく必要があります(安全なルートであればの話です)。ランナウトがあなたを動揺させてしまうのであれば、完登を目指す前にそこでのフォールを練習しましょう。
Image:
Roger Schaeli

8) 集中が全て

まず初めに、自分のベストの状態で登るには、今起きていることだけに集中する必要があるということを理解しましょう。特に完登がかかっている時、これはとても難しいのです。なぜなら、あなたの心の大半は、終了点にクリップすることばかり考えてしまうからです。心がここではない別の場所(例えば終了点)に向かってしまうと、あなたの注意は散漫になるばかりか、それによって完登を逃すかもしれません。そもそも、クライミングにおいて最も楽しい瞬間は、眼も心も次のホールドに向けられ、完全にその時間その場所に集中している時なのです。あなたがどう考えているかは分かりませんが、私がクライミングを愛している理由は、クライミングをしている時、その他の時間と違って、私の心は何物にも乱されずにいられるからです。

以下で、集中力を上げるための実践的な方法を紹介しましょう。

  • 「ここ」と「今」だけに集中しましょう。

    取り付きから離陸する前に、自分の注意を留められるような何かに集中しましょう。呼吸は意識を向けやすい対象です。もしもヨガや瞑想を実践したことがあれば、自然と呼吸に集中することができるでしょう。そのほか、周りの景色を堪能するのがいいかもしれません。あるいは周囲の音に耳をすませるのもいいでしょう。今その瞬間起きていることに集中し切っているとき、世界は私たちの心を満たしてくれるもので溢れていることに気付くでしょう。完登できるかどうかなんて、頭から飛んでいってしまうのです。

  • 感覚を研ぎ澄ませましょう。

    より良い登りをするためには、自分自身の感覚から、素早く信頼できるフィードバックを得ることが必要です。今掴んでいるホールドを正しく掴めているかどうか、どうやって知ればよいでしょうか?指先の感覚で知るのです。身体が正しいポジションに入っているかどうか、どうやって知ればよいでしょうか?重心がどちらの足にどの程度移動しているかどうかで知るのです。

    登り始める前に筋肉のスイッチを入れるのと同じように、感覚のスイッチも入れなくてはなりません。私は、チョークを最初に一掬いするとき、指先でチョークが付く感覚を確かめるようにしています。最初のホールドを掴む感覚であったり、靴の中の足先の感覚に注意を向ける人もいるでしょう。自分の身体の潜在的な感覚を使って登るのです。自意識は、あなたの注意を散漫にさせるでしょう。それを静かにさせ、感覚のスイッチをオンにするのです。

  • レスト

    ルート上のレストポイントでは、自意識が再び活性化し、私たちを不安にさせようとします。「前回のトライでここに到達した時より、とても疲れてる。」とか、「自分の身体は全然良い状態じゃない。今日は登れなさそうだ。」とか、心の中の声が囁くのです。

    ここで取るべき選択肢は2つあります。一つ目は、レスト中、そのような心の声はそのまま放置しておき、レストを止めてクライミングを再開する時、上述のテクニックを使って集中力を取り戻す、という方法です。多くのスポーツ心理学者が、「スイッチオン」「スイッチオフ」という言葉を使います。あなたは今クライミングに集中している?それとも、レストをしながら考えごとをしている?この2種類の状態を混同しないようにして下さい。

    もう一つは、能動的にレストするという方法です。どういうことかというと、クライミング中にクライミングに集中するのと同じようにに、レストすることに集中するのです。これを行うには、規律ある心が必要です。足にできる限り多くの体重を乗せましょう。もしくは、僅かでも重心を移動させましょう。そうすれば、レスト中のエネルギーの使用を最小限に抑えられるはずです。両手がどれくらい疲れているか観察しましょう。そうすれば、いつ手を入れ替えてレストさせるべきかが分かります。自分の心拍数の上昇に注意を向けましょう。そうすれば、それが下がったときに気付くことができます。呼吸に注意して、深くゆっくりと呼吸していることを確認してください。

9) 言い訳をしない

マインドコントロールを登った日、私の体調は良くありませんでした。頭痛がして、喉も痛く、身体のエネルギーが無いように感じました。でも、雨が降る予報だったのでトライしたかったのです。最初は、自分のことがかわいそうに思え、私はとても不機嫌でした。しかしその時、常に何らかの不都合な問題はつきまとうもの、ということを思い出しました。

もしも体調が悪くなかったとしても、壁のコンディションが良くないかもしれません。壁のコンディションが良かったとしても、あなたは前の晩よく寝れなかったかもしれません。もしもよく寝れたとしても、ボーイフレンドと喧嘩していたかもしれません。常に、言い訳の種は転がっているのです。

最も良い対処法は、それをありのままに受け入れて、あなたへの悪影響を最小限に抑えることです。もし気温が高かったら、クライミング中に暑さのことが気にならないよう、あらかじめ登り始めるときに自分の心を集中させましょう。マインドコントロールを登った日、私はボーイフレンドや友人に愚痴をこぼしていました。しかし、クライミングを開始する時、もう十分不満を吐き出した、今は登ることだけに集中する、と決めました。

ルートに取り付いている間、私は体調が悪かったことを完全に忘れていました。何を頭から消し去るべきか自問しましょう。そして、これまでベストでない環境でも完登したことがある、ということを思い出して下さい。

10) 楽しみながら学ぶ

プロセスを楽しめているかどうかに、充分に注意しましょう。がっかりした悲しい気持ちでいつも岩場を去っているようなら、自分に何が起きているのか考え直す必要があります。もしも学びを得られているなら、あなたは幸せな気持ちになっているはずです。自分にとってチャレンジングなルートを登るということは、すなわち、学ぶということです。従って、もしも幸せでないなら、あなたのモチベーションとエゴについて考え直し、この記事の第1項を再読してください。

Image:
Jonny Baker

11) 他人と自分を比較しない

そのルートを完登したかどうかにかかわらず、あなた自身と他人を比べても何も生まれません。もしも、あなたがあるルートでいいトライができたと思っていたところに、10歳の女の子がより少ないトライで同じルートを完登したと聞かされたら、あなたの自尊心は打ち砕かれますか?なぜ、彼女の完登があなたの完登の価値を下げるのでしょうか?

不幸なことに、私たちは常に自分自身と他人を比較せざるを得ない世界に住んでいます。「彼女がしたことはアレやコレに比べたら大したことない。」このような類の比較は恐れに根差したものであり、私たちのネガティブな部分から生み出されます。もしもあなたが、その挑戦のプロセスにひたむきになっていて、その困難を受け入れていて、幸せであったなら、これ以上何を得ようというのでしょうか?そのルートが6aであろうが9aであろうが関係ありません。全てのプロセスは同じです。そして、プロジェクトに挑戦するプロセスは、とても価値のあるものです。なぜなら、そこには学ぶべきことがたくさんあるからです。

1日の終わりに、自分が今日したことが他人と比べて優れているかどうかを考えたりしないでください。そうではなく、今日何を学んだかを自問しましょう。このようなマインドセットを持っていれば、何もあなたを止めることはできないでしょう。

-- ヘイゼル・フィンドレイ
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