ハード・センズ・シリーズの第1弾としてセブ・ブワンはフランスの自宅近くの岩場ピク・サン・ルーへと我々を案内してくれた。祖父を偲んでボルトを打ったルート、ACL(5.15b)の初登に挑む。

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代表選手達がはるばるトレーニングに足を運ぶジム、「クレッターゼントラム・インスブルック(略称:KI)」。ワールドカップ・オーストリア大会の会場ともなる巨大ジムを動画配信で見て驚いた方も多いだろう。「KI」は一人のレジェンドクライマーの長年の情熱が結実したものだった。これは、その男ライニ・シェーラーの物語である。

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グラスルーツ・フィジカル・セラピーのDPT(理学療法学博士)エスター・スミスと、BDアスリートのサム・イライアス。この2人のやり取りを通じて、人間のからだの構造やボディーメカニクスに関する知識が、クライマーとしての成長とケガからの回復に大いに役立つということを学べるだろう。

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BDアンバサダー、カッディ・レーマンによるV15のボルダー課題完登。その全ては古いマウンテンバイクのギアを直したことから始まった。彼女はKryptos—スイス、ジュラの岩場にある、美しい石灰岩に走った一本のすじ—にトライするために、合計すると数マイルに及ぶ坂道をマウンテンバイクで駆け上がった。でもこれは、完登までの長い心の旅路に比べれば、たいした苦労ではなかった。その道程でレーマンは、成功をもたらすのは肉体的な強さではなく、モチベーション、信念、幸せなのだ、ということに気づいた。これはそんな彼女の物語である。

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ロックダウンが終わるやいなや、バブシ・ツァンガールはオーストリア国内最難レベルのスポートルートを完登してしまった。クライミングできるありがたみを改めて感じながら。彼女へのインタビューを通じて、なぜ彼女がこれまでになくモチベーションにあふれているのか聞いてみよう。

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ハングボードは、指の腱を強化するトレーニング器具と一般に考えられている。しかしこの連載では、指の故障のリハビリにもハングボードがとてもよいツールであることを解説する。解説は、おなじみ理学療法士のエスター・スミス女史だ。

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ブラックダイヤモンドのルーツ=根は広く深く伸びている。例えば韓国のクライマー達との偶然の出会いは80年代半ばのことだったが、今や彼らは優れたBD代理店に成長している。韓国は世界のクライミング界に波を起こしている。ソ・チェヒョンのような若き天才たちが、いとも簡単に壁を乗り越え、ワールドカップで勝利を挙げているのだ。そんな中、BDアスリートのヘイゼル・フィンドレイとコレット・マキナニーは韓国でのBDのルーツを探り、成長し続けるカルチャーを体験しに行こうと考えた。そのカルチャーはクライミング界の世界遺産とも言えるものだ。コレットが制作した美しい動画をご覧いただき、彼の地のクライミングを垣間見てほしい。

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BDアスリート、トビン・シーゲルは非常にハードな滑降をする。冬の間、雪面にハッキング*したり、落差数マイルの急傾斜のオフピステを滑降したりして過ごすが、シーズンが終わればスキーから離れた時間を楽しんでいる。しかしただソファでNetflixをダラダラ観て過ごすということではない。オフシーズンのトレーニングに励み、身体の調子を維持しているのだ。今回は、カナダB.C.州出身のトビンが、来る冬に向けてオフシーズンに身体を鍛える秘訣を教えてくれる。

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2009年当時、ブラックダイヤモンド(以下BD)アンバサダーのパチ・ウソビアガは、間違いなく最高のコンペティターだった。この年彼は世界選手権で優勝し、クライミング界に長くその名を残したが、彼の背後にはチェコ出身の若いクライマーが迫っていた。その年2位の成績を収めたアダム・オンドラだ。パチは、その若いクライマーの内に宿る炎に気づき、新しい夢を手にした。それは、パチにとっての希望の光だった。現在パチは、再びコンペティションのために日々熱心に活動し、オリンピックを目指している。かつてのような選手としてではなく、アダム・オンドラのコーチ兼トレーナーとして。パチがどのようにして2018年のインスブルック世界選手権へとアダムを導いたのか、これまでの彼の軌跡を語ってくれた。

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ブラックダイヤモンドアスリート、ヘイゼル・フィンドレイは肩の手術から順調に復活し、つい最近、自身のレッドポイントグレードを更新した。フィンドレイは、自分の一番の強みはボディではなくメンタルの強さだ、と語る最初のアスリートだろう。コーチとしての経験から彼女は言う。「いくつかの単純なコツを知れば、ほとんどのクライマーがメンタルを強化し、岩場で今以上のパフォーマンスを出せる」と。それはどんなコツなのだろうか。彼女の話を聞いてみよう。

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これまで一度も肘を痛めたことがないクライマーを見つける方が難しい、と言えるくらい肘の痛みはありふれた症状だ。しつこい痛みをなだめるために、腕をさすりながらルートをロワーダウンしたことが何回もある、という方もいるのではないだろうか。BDアンバサダーのブリタニー・グリフィスがまさにそんな状態だった…彼女がエスター・スミス女史に出会うまでは。『HANG RIGHT』シリーズ第2回目では、理学療法士のエスター・スミス女史とケイティ―・ブルーメンソール女史が、肘の痛みの原因とその対処法について教えてくれる。

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ブラックダイヤモンドのグローバルアスリート、ヘイゼル・フィンドレイ。いま彼女は「フロー」の探求を進めている。フローとは、掴みどころがなく高いパフォーマンスを引き出してくれる何か。その探求の過程で、彼女はフローを実現する技術の専門家、キャメロン・ノーズワージーに出会った。
メンタルトレーニングシリーズ、連載2回目では、フローとは何か、そしてそれをクライミングでどうすれば利用できるのかを知るために、フィンドレイがノーズワージーにインタビューを行った。

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理学療法士のエスター・スミス女史は、ブラックダイヤモンド(以下BD)ブートキャンプに数日間参加。BDアスリートのバブシ・ツァンガール、ダイラ・オヘダ、コレット・マキナニーらがトレーニング期に入る前に故障のケアを行った。この記事では、バブシの治療プロセスに焦点をあてて紹介する。バブシの場合、肩の怪我がクライミング能力とトレーニング能力を制限してしまっていた。クライミング、ぶら下がり、その他トレーニングを行う際の最適な肩のポジションがどのようなものなのか、エスター女史がレクチャーする。

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2019年11月23日、BDアスリートのバブシ・ツァンガールとヤコポ・ラルケルはノーズ(Ⅵ 5.14a)をオールフリーで登り、8人目・9人目の完登者となった。これはバブシにとって5本目、ヤコポにとっては4本目のエルキャプ・フリールートの完登である。このヨーロピアンコンビは、誰もが認めるエルキャプの「最強カップル」であることがまたもや証明された。BDでは今回の登攀について独占インタビューを行った。

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開ききったカムが実際どのくらいの強度があるのか、今まで考えたことがあるでしょうか?自分で結んで作ったスリングの強度については?そんなの分からない、と諦めないで!今回のQCラボでは、コリン・ポーウィック=KP(BDのクライミングカテゴリーディレクター)とそのスタッフがギアが壊れるまで試してみてその疑問に答えました。この実験結果がどうなったのか?その結果から何を導き出せたのか?どうぞご覧ください。

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ブラックダイヤモンドのグローバルアスリート、ヘイゼル・フィンドレイ。彼女はボールドなクライミングを指向している。エルキャピタンをオールフリーで登ったときや(註1)、母国イギリスでE9のハードトラッドを登ったときのように、フィジカル以上にメンタル的にハードなクライミングをしたときに自分は成長している、と彼女は言う。

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ワイヤーゲートカラビナは、今日では当たり前のように使われている。しかし、1995年まではその可能性すら誰も考えていなかった。ブラックダイヤモンド(以下BD)の2人のデザイナーを除いては。これは世界初のクライミング用ワイヤーゲートカラビナがどのように生み出され、どのようにクライミング界に変革を起こしたかについての物語である。

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ギアスリングは、トライカムと同様に衰退する運命を辿りつつあるようだ。これには何か理由があるのだろうか?ハーネスに付いているきれいな樹脂成型のギアループの方が、やはり優れているのだろうか?それとも、今のクライミングシーンではそれぞれ使うべきタイミングと場所があるのだろうか?

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