HARD SENDS WITH SEB BOUIN
ACL (9B/5.15B)

2023.11.15

ハード・センズ・シリーズの第1弾としてセブ・ブワンはフランスの自宅近くの岩場ピク・サン・ルーへと我々を案内してくれた。祖父を偲んでボルトを打ったルート、ACL(5.15b)の初登に挑む。

ピク・サン・ルーは私にとって特別な場所です。この岩場はこの地方で一番高い山の頂上にあって、谷を見下ろしています。その眺めは素晴らしく、独特の雰囲気があります。アプローチは大変だけど、エリアのクオリティを考えれば大したことはないです。どこかクラーク・マウンテンやジャンボ・ラブを思わせる所ですね。ワイルドな場所に見事な壁があるんです。

私はこの近くに住んでいるから、ここはすごくいい遊び場です。5年前には亡くなった祖父を想いながらACLのラインにボルトを打ちました。素晴らしい場所にある素晴らしいラインです。このルートをワークするのは、この数年間祖父を身近に感じるちょうどいい機会でした。ACLとはAriegeois Coeur Loyalの頭文字で、祖父が大工の棟梁になったときに職人組合から与えられた名前です。

Video:
Thibaut Marot, Clarisse Bompard

ACLはピク・サン・ルーの壁の中央、最も傾斜の強い部分を直登します。

このルートは2つの9a(5.14d)を組み合わせています。最初のルートはかなり体力が必要で、体力を消耗します。2本目はよりトリッキーでレジスタンス・クライミングですね。本当の難しさは、2本目の9aを登れるだけのエネルギーを蓄えた状態で最初のセクションを完登することです。

最後のパートでは何度も落ちました。この最後の核心部は正確さと体幹のパワーが要求されます。

2022年の秋、私はこのルートをもう少しで完登するところだったのに、最後の一手で落ちてしまいました。そして雨が降り出し、キーホールドが濡れて乾かなくなってしまいました。これでその年の秋シーズンはあきらめざるを得ませんでした。

そして今年の春、最高にやる気を高めてこのルートに戻り、1カ月後に完登しました。

このプロセスには満足しています。ACLは家族への愛が常にそこにある、私の大切なルートです。