テクニカルインフォメーション

アイスツールのピックメンテナンス

2002年時点の情報です

  1.先端を60度に仕上げたピック
 
  2.下の刃のように削ってしまうと、刃こぼれしたり折れたりするおそれがある
ウインタークライミングにおいては、ピックの先端を常に鋭く保つことが重要です。ピックは、必ずヤスリを使って手で研いでください。グラインダーなどの電動工具で研ぐと熱をもち、焼きが戻り、磨耗が早くなったり、曲がりやすくなります。ピックは、焼き入れと呼ばれる熱処理によって硬く仕上げられています。再び熱を加え、ある温度になると、硬さが落ちたり脆くなったりします。
 
ピックを研ぐときは、万力などに固定し、先端の角度が、45度から90度になるように仕上げます。写真1は、60度に仕上げたピックです。
難しいアイスフォールを登るときは45度、長い氷のルートは耐久性を重視して60度、岩主体のミックスクライミングは90度、などのように使い分けると良いでしょう。
写真2の下のように、45度より鋭くしたり、ピックの上の部分を削って細くしたりしないでください。軽く岩に当たっただけで刃こぼれしたり、折れてしまう恐れもあります。
ヤスリは、鉄工用のヤスリを使ってください。断面が長方形の平ヤスリと呼ばれるもので、荒さは細目、長さは200mmから250mmくらいが使いやすく、クランポンを研ぐときにも便利でしょう。