テクニカルインフォメーション

デイジーチェーンの基礎知識 - 使用上の注意と選び方

2003年時点の情報です

1. 2つのポケットにカラビナをかけて荷重すると縫い目から切れてしまう。
 
2. デイジーチェーンはハーネスのビレイループに直接ガースヒッチで装着する。
 
 
3. 左が適正な長さ。右が短すぎる例。
ビッグウォールクライミングをはじめ様々な場面で活躍するデイジーチェーンですが、使用に際しては基本的な注意点があります。
●使用上の注意
・デイジーチェーンはランニングビレイのような衝撃荷重の加わる使い方はできません。
・デイジーチェーンでセルフビレイを取らないで下さい。セルフビレイは必ずメインロープで取り、デイジーチェーンはそのバックアップとしてのみ有効です。
・デイジーチェーンのポケット強度は3kNしかありません。ポケットだけでセルフビレイを取ることは大変危険です。
・デイジーチェーンのポケットに同時に1枚のカラビナをクリップしないで下さい。荷重されたとき縫い目が切れる可能性があります(写真1)。
・デイジーチェーンはガースヒッチでハーネスのビレイループに直接装着して下さい(写真2)。
●材質
ブラックダイヤモンドとメトリウスのデイジーチェーンにはスペクトラ製とナイロン製があります。短いサイクルで買い換えるならばコストパフォーマンスに優れたナイロン製を、強度と軽さを求めるならばスペクトラ製が適しています。また、スペクトラは吸水率が低いので凍りにくく、ウィンタークライミングにも適しています。
●長さ
ブラックダイヤモンドのデイジーチェーンには115cmと140cmの2サイズがあり、主にどのような状況で使用するのかを考慮してサイズを選びます。
ここでは、エイドクライミングでの使用を想定して、身長に合わせた一般的なサイズ選びをご紹介します。
デイジーチェーン末端をハーネスのビレイループにガーズヒッチで装着し、もう片方の末端を持ち、上方に腕を伸ばします。このとき、デイジーチェーンに少し余裕のあるサイズを選んで下さい(写真3左)。腕を伸ばしたときにデイジーチェーンが伸びきってしまっている場合、そのサイズでは短すぎます(写真3右)。