テクニカルインフォメーション

ヘッドランプ選択のポイント

2005年時点の情報です

1.キセノンとLEDの比較
右:キセノン点灯時のへリオン
左:レンズ付きハイパーブライトLED点灯時のジーニックスIQ
2.レンズ内側にスペアバルブを収納できます(赤矢印部分)。
3.バッテリーケースの比較
右:単4×3本の「ナイトレイ」
左:単3×4本の「ベクトラIQ」
4.電池残量メーター(丸で囲んだ部分)
右:「ベクトラIQ」
左:「ジーニックスIQ」
登山では日没までに目的地や安全な場所に到着できないことも予想されます。そして夜間での行動範囲はヘッドランプの性能によって大きく左右されます。この極めて重要なアイテムの選択のポイントには、照射距離、電池寿命、重さ、バッテリーの種類などが挙げられます。
<照射距離と電池寿命>
ヘッドランプの照射距離と電池寿命は使用されているバルブによって変わります。BDヘッドランプはキセノンバルブ、LEDを使用したもの、また両方を備えたハイブリッドの3種類があります。
●キセノン(機種:ルナ)
キセノンバルブは照射距離が長いため、ルートファインディングを必要とする登山に適しています(写真1)。また照射距離の異なる3種類のキセノンバルブを、目的に合わせて交換することで照射距離と電池寿命のコントロールが可能です。くさり場や迷いやすい場所を含むルートにお勧めです。
●LED(機種:ナイトレイ、ジーニックスIQ 他)
LEDは消費電力が少ないため、従来型のバルブと比較して電池寿命が非常に長いことが最大の特徴です。またバルブ自体の寿命も半永久で交換の必要はありません。初期のLEDヘッドランプは明るさが不十分と言われていました。しかし従来型より照射距離の長いLEDやレンズ付きLEDを採用したモデルが登場しバリエーションも増え、トレッキング用ヘッドランプの主流になりつつあります。
●ハイブリッド(機種:ヘリオン ベクトラIQ 他)
キセノンとLED両方を備えたハイブリッドタイプは、状況に応じて使い分けることで、照射距離を必要とする山行で電池寿命をコントロールすることが可能です。クライミング、沢登り、冬山などルートファインディングが必要で、かつ1日の行動時間が長い登山に特にお勧めします。
※スペアバルブについて
キセノンバルブは球切れを起こすことがあるため、スペアバルブの携行が必要です。ブラックダイヤモンドのキセノン採用モデルは、レンズ内側にスペアバルブを携行できるようになっています(写真2)。
<バッテリーの種類>
ブラックダイヤモンドの登山用ヘッドランプに用いるバッテリーは、単3型と単4型が使用されており、バッテリーケースの形状も異なります(写真3)。
単3型の長所は比較的電池寿命が長いことです。軽量で、かつ寒冷地での性能低下が少ない単3型リチウム電池を利用できる点も大きなメリットです。
単4型の長所は軽量でコンパクトな点です。また最近では単4型リチウム電池が流通し始め、単4型の活躍の場も広がってきています。
※リチウム電池非対応のモデルがありますのでご注意ください。
<バッテリーケースの位置>
バッテリーケースの位置は、登山用ヘッドランプの使い勝手に大きく影響します。ブラックダイヤモンドの登山用ヘッドランプはバッテリーケースが後頭部に位置するようになっています。重量が前後に分散されるため、歩行時にバランスが良い設計になっています。
セパレート式バッテリーケースの「ポーラースター」は、バッテリーケースをジャケットの内側に収納して保温することが可能です。寒冷地でその効果が発揮されます。
<その他の特徴>
●シンプルな操作性
電源のオン/オフ、照度調節、ストロボ(点滅)モードの切り替え、これらが全てひとつのボタンで操作できます。グローブを装着していても扱いやすい設計です。
●電池残量メーターとロケーター機能
ジーニックスIQ、ベクトラIQには電池残量を点灯色で知らせるインジケーターが付いています(写真4)。インジケーターがグリーンの点灯時は電池残量50%以上、オレンジは50%~20%、レッドの時は20%以下です。電源オフ時にはこのインジケーターが点滅し、暗い場所でもヘッドランプの場所がわかる機能(ロケーター機能)も備わっています。