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図1.2つのポケットの縫い目をまたいでクリップすると縫い目が破断したときにカラビナがデイジーチェーンから脱落する。 |
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図2-a.正しいポケットの連結
図2-b.間違ったポケットの連結。縫い目が破断した場合デイジーチェーンがカラビナから脱落する可能性があります。 |
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2つのポケットに1枚のカラビナをクリップしない(図1)
デイジーチェーン全長の引っ張り強度は11kN*~19kNありますが、各ポケットは1.3kN~3kN程度の荷重で縫い目が破断します。図1のように、2つのポケットの縫い目をまたぐ形でカラビナをクリップすると、縫い目が破断したときカラビナがデイジーチェーンから外れるため、もしこのカラビナに体重を預けていたとすると大変危険です。1つのポケットに1枚のカラビナをクリップして荷重すれば、縫い目が破断しても下側のポケットが受け止めてくれます。
*1kN=約100kgf

デイジーチェーンだけでセルフビレイを取らない
ビレイポイントでは必ずメインロープでセルフビレイを取り、デイジーチェーンはバックアップとして使用して下さい。1本のデイジーチェーンだけでぶら下がることは、1本のアンカーだけに全体重を預けることになり大変危険です。懸垂下降などでメインロープを外したときのセルフビレイは複数のアンカーからソウンスリングで取って下さい。1個のプロテクション、1本のアンカーだけに命を預けず、必ずバックアップを取ることがクライミングの鉄則です。

デイジーチェーンをランナーとして使わない
ランナーはUIAA/CENスタンダードである強度22kNをクリアしていなくてはなりません。デイジーチェーンに規格はなく、強度もメーカーによって異なり、そもそも衝撃荷重が加わることを想定して作られていないのでランナーとして使うことは大変危険です。

長さ調節の際には必ずカラビナを用いる(図2)
デイジーチェーンで身体とプロテクションとの間隔を調節するときは、必ず図2-aのようにポケットにカラビナを掛けて行って下さい。図2-bのようにポケットのみで調節すると、縫い目が破断した場合デイジーチェーンがカラビナから完全に脱落する可能性があります。信じられないかもしれませんが、その恐怖のメカニズムを下の写真a~dで解説します。 |