テクニカルインフォメーション

トレッキングポール使用上のポイント

2007年時点の情報です

トレッキングポールはシンプルな道具ですが、使用上のポイントがいくつかあります。ポイントを押さえて使用すれば、安全で疲労の少ない快適なトレッキングを楽しめます。ここではトレッキングポールを実際にフィールドで使用する際の注意や、より使いやすくなる便利なポイントをご紹介します。
●場面別:ポールの長さ調節
ポールの長さを登り/下りなどの場面に応じてこまめに調節することで、安全で疲れにくくでき、ポール使用の効果を発揮できます。
ポイントは、まず平地を基準に調節して、場面に応じて伸ばしたり短くしたりすることです。
ブラックダイヤモンドポールの長さ調節機構(フリックロック/バイナリ)は、素早くワンタッチで調節/セットアップできるので、このような場面でとても便利です。

1:平地
ポールを体の真横またはやや後ろに突いた時に、肘の角度が直角~少し開いた角度になるよう調節します(写真)。
さらにポールを長くすると、ポールをより後方に突くことができ、推進力は得られますが、筋力が必要になってきます。
平地での最適なポールの長さは、肘の角度を基準にして調節する。写真は、肘がわずかに開いた状態
2:登り
穏やかな登りでは平地と同じ長さに、急な登りでは平地より短めに、という調節を基本にして、腕の負担が軽減する長さに調節して下さい。グリップ下部に延長されたグリップ(エクステンショングリップ)は、一部に急な登りがある場合に使用すると、ポールを一時的に短く持てるため、長さ調節の必要がなく便利です。

3:下り
平地より長めの調節が基本です。長めに調節することで、下りでの体のバランスを取るのに効果的です。ただしポールに頼り切らないように、バランスの補助として使用してください。

4:トラバース
トラバースのような左右の高さが違うトレイルが続く場合、山側のポールを縮めます。一時的な場合はエクステンショングリップが役に立ちます。
●カムレバーを操作するポイント
カムレバーが閉じにくい場合、指先で閉じるのではなく、下の写真のように手のひら(親指の付け根)で包み込むようにすると、閉じやすくなります。
指先では力が必要な場合でも、手のひらを使えば比較的簡単にレバーを閉じられる
●グリップのにぎりかた
例1:下から手を通す(写真左)
例2:上から手を通す(写真右)
写真左のようにストラップ下から手を通して、ストラップとグリップを一緒に握ると、握力をセーブすることができます。ストラップが手首をしっかりサポートし、軽く握るだけで腕の力を効率的にポールへ伝えることができます。
●ストラップの長さ調節
伸ばす→ストラップの右側を引く(写真右)
縮める→グリップ付け根から出ているストラップを引く(写真左)
ポイントは、伸ばす際には水平~やや上方向へ引くことです。慣れると、手を通したままで調節できます。
●ティッププロテクターの使用
ブラックダイヤモンドポールには、ポール先端をカバーするゴム製カバー(ティッププロテクター:写真)が付属しています。
1:携帯時
荷物の外側にポールを取り付ける際、他の人や物を傷つけないようにするのに便利です。特に電車や人ごみの中で装着すると効果的です。

2:登山道
登山道ではティッププロテクターを外して使用するのが基本です。植生や登山道、木道を傷つけたくない場合には、プロテクターを装着したり、ポールの使用を控えることもあります。
※ティッププロテクターを取り付けると、岩場などでポールの先端が滑ることがありますので、通常は取り付ける必要はありません。