テクニカルインフォメーション

マットのヘタリを防ぐ - ボルダーマットのメンテナンス

2009年時点の情報です

同じ機種のマットでも、ヘタリの早さに違いがあることにお気づきでしょうか(極端な場合、1年程度で完全にヘタってしまう場合も)。マットの寿命は、ウレタンフォームの品質もさることながら、日頃の使い方とメンテナンスでも大きく変わります。そのポイントは、「ウレタンフォームの加水分解を防ぐ」こと。加水分解とは、水分に反応して分解・劣化してしまうポリウレタン素材の性質です。このページでは、大切なマットを長く使い続けるためのコツやメンテナンスのポイントをご紹介します。
帰ったらすぐに乾かす
湿ったマットは帰宅後早めに乾燥させましょう。直射日光が当たらず、風通しのいい場所が理想です。裏にウレタンコーティングされたカバー生地は、フォームが吸収した水分を排出しにくいので、サイドジッパーやベルクロなどの開口部を開けておきましょう。
シートを積極的に活用
ブルーシートやシルバーシートを敷いて使用するのも対策の一つです。濡れたランディングの防水として効果的ですし、湿った土のランディングでも1日で水分をかなり吸収してしまいます。移動時の背中やクルマの汚れが少ないメリットもあります。
素材によってさらに注意
ドロップゾーンやローンチパッドなど、特に厚いコーティング素材を使用したマットは濡れたランディングに強いというメリットがありますが、内部に吸収した水分を逃がしにくい面もあります。他の素材を使用したマット以上に乾燥に気をつかいたいところです。
   
   
ホールドもマットもきれいに
一日の最後には、ホールドのクリーニングとともにマットのチョークや泥もよく落としましょう。カビの発生源となるのを防ぎます。ブラックダイヤモンドの「ネセサリー」などのブラシセットは、大きめのブラシがあるのでこうした時にも便利です。
洗濯は丸洗いを避ける
汚れが気になるようなら、カバーをはがして洗濯しましょう。液体洗剤とブラシ等で汚れを落とし、流水ですすいで陰干しします。裏にウレタンコーティングされた生地は、加水分解でコーティングがはがれる恐れがあります。丸洗いや頻繁な洗濯は避けて下さい。
開いて保管が長持ちの秘訣
帰宅後の保管は、開いた状態が理想です。メトリウス・ストンプなどのヒンジタイプでは湿気がこもるのを防ぎます。また、ブラックダイヤモンドのドロップゾーンなどのタコスタイル(1枚タイプ)では、折り目部分の折りぐせやヘタリの防止にもなります。
   
   
ウレタンフォームの外し方
カバー洗濯や念入りに乾燥させたいときにはウレタンフォームを外しますが、この作業が一苦労。普通に引っ張ってもカバーとの摩擦とテンションでなかなか出てきませんし、取付は取り外し以上に苦労させられます。ここで、フォームをU字に曲げてカバーを剥いでいくと、フリクションが抜けて外しやすくなります。取付は逆の手順で行います。
いかがでしたでしょうか。日頃のメンテナンスやちょっとした心がけをすることで、マットの寿命も大きく変わります。保管スペースの都合などでこの通りにはできない場合もあるかもしれませんが、「濡らさない・濡れたままにしない」という基本に気をつけて、大切なマットを長くご愛用下さい。