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アクティブパック、サイズ選びとフィッティング

2010年時点の情報です

ブラックダイヤモンドのパック開発史は50年にも及び、70年代のウルティマツーレ、90年代のブレット、2000年代のバンディットアバラングなど、数々の人気モデルを送り出してきました。2010年はバックパックの概念を変革するアクティブパックシリーズが新登場。今回はアクティブパックの特長、サイズ選び、フィッティング等について解説します。

I. アクティブパックの特長

アクティブパックの特長は、可動式のショルダーベルト&ヒップベルトを備え、ヒップベルトが腰に固定された状態でパック本体が上体に追従して動く点です(写真1&2)。この機能により、岩場の多いトレッキングなど、動きの大きいアクティビティで軽快な動きやすさを実現します。比較的変化の少ないトレイルでは、ヒップベルトとパック本体を連結するストラップを締めることで、本体の動きを制限することができます(写真3)。

写真1

写真2

写真3

II. 背面機構の種類

アクティブパックの背面機構には、比較的重い荷重まで対応する「エルゴアクティブ サスペンション」と、シンプルでしなやかな「リアクティブ サスペンション」の2種類があります。

エルゴアクティブ サスペンション

ヒップベルトと背面フレームをボールジョイントで連結。身体の前後左右の動きに追従し、比較的重い荷重まで対応します。また、ピボットの位置を変えることで、バックレングスの細かい調整が可能です。

1. スイングアーム ショルダーベルト
左右のショルダーベルトがケーブルでリンクして動き、荷重変動を防ぎます。
2. エルゴアクティブ ヒップベルト
フレームにボールジョイントで連結されたヒップベルトが前後左右に可動。
3. Vモーション フレーム
背中のシェイプに合わせて成形された堅牢な6mm径6061アルミフレーム。

リアクティブ サスペンション

ヒップベルト下部左右を滑りやすいテープで連結し、身体の横方向の動きに合わせてヒップベルトも可動します。エルゴアクティブよりシンプルで、小~中型パックに採用されています。

1. スイングアーム ショルダーベルト
左右のショルダーベルトがケーブルでリンクして動き、荷重変動を防ぎます。
2. リアクティブヒップベルト
ヒップベルト下部左右を滑りやすいテープで連結し、しなやかな可動性を確保。
3. Vライトフレーム
背中のシェイプに合わせて成形された4mm径6061アルミフレーム。Vモーションフレームより軽量フレキシブル。

III. サイズ選び

背面長とウェストサイズをメジャーで測定し、それに適したパックサイズを選んで下さい。背面長とは、第七頸骨(首を前に曲げた時に一番飛び出している骨)から腰骨の上端までを言います(右イラスト)。
○メンズ
M(背面長45~52cm、ウェスト73~86cm)
L(背面長50~57cm、ウェスト86~99cm)
○レディース
S(背面長40~47cm、ウェスト76~89cm)
M(背面長45~52cm、ウェスト86~99cm)

IV. ヒップベルト位置の調整 (エルゴアクティブの場合)

1.ショルダー付け根からピボット中心までの長さ(A)を測定して下さい(写真4)。(A)の適正値は背面長マイナス10cmです。
2.ヒップベルトポケット内には4mmアーレンキーが収納されています(写真5)。アーレンキーを使ってピボットを緩めて下さい(写真6)。
3.ヒップベルトをスライドさせ、(A)の長さを正しく調整して下さい(写真7)。
4.(A)の長さを再度チェックし、適正であることを確認して下さい(写真8)。
5.ピボットをしっかりと締めて下さい(写真9)。

写真4

写真5

写真6

写真7

写真8

写真9

V. フィッティングの手順

1.ヒップベルトを腰骨の位置で締めて下さい(写真10)。
2.ショルダーストラップを締めて下さい(写真11)。
3.スターナムストラップを胸を圧迫しない高さで締めて下さい(写真12)。
4.ロードリフターを締めて下さい(写真13)。
5.パック本体とヒップベルトを連結するストラップを、締めるか緩めるかして下さい(写真14)。
ストラップを緩めると大きく動き、締めると動きが制限されます。

写真10

写真11

写真12

写真13

写真14

VI. 特徴的な機能 (例:アストラル40)

写真15:ポール/アックス共用ループ。全モデルに採用。
写真16:固定用ショックコード。トップロードモデルに採用。
写真17:フロントストレッチポケット。
写真18:サイドストレッチポケット。全モデル。
写真19:ヒップスタッシュポケット。全モデル。
写真20:女性向けにデザインされたショルダーベルト。アストラルに採用。
写真21:ハイドレーション対応。全モデル。
写真22&23:ロールトップクロージャー。トップポケットを取り外し、本体をロールアップしてリバーパック方式で使うことができます。アクシオムとアストラルに採用。

写真15

写真16

写真17

写真18

写真19

写真20

写真21

写真22

写真23