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雪崩ビーコン、電子デバイスの干渉

ビーコンと各種電子デバイスイメージ

最新の雪崩ビーコンには広い受信範囲がありますが、電子デバイスが近接していると干渉して受信範囲が狭まってしまいます。

雪崩ビーコンに電子デバイスが及ぼす影響を検証し、雪崩ビーコンの性能を妨げない電子デバイスの携行方法を動画で紹介します。

検証結果

今回の検証では、ピープス社のプロBT(最大受信範囲60m)を使用しています。
ピープス社では、雪崩ビーコンを使用する際の電子デバイスとの距離を次のように指定しています。
受信モード:50cm以上
送信モード:20cm以上

※実際の受信距離は周囲の電磁波の状況により異なります。

スマートフォンの影響

ビーコンのみ 53.6m
ビーコンを重ねる
(電源ON)
3.3m
ビーコンを重ねる
(電源OFF)
22.8m
胸ポケットに収納
(電源ON)
44.6m
バックパック
(電源ON)
52.5m

スマートフォンを雪崩ビーコンに重ねたり胸ポケットに収納した場合、電子デバイスのない状態と比較して受信距離が83%~6%まで短くなっています。一方、バックパックに収納すると、受信距離への影響はほとんどなくなります。
スマートフォンの電源をOFFにしても雪崩ビーコンの受信性能に影響を与えるため、電源のON/OFFに関わらず、スマートフォンを収納する位置に注意する必要があります。

トランシーバーの影響

ビーコンのみ 53.6m
胸ポケットに収納
(電源ON)
46.2m
バックパックに収納
(電源ON)
53.2m

トランシーバーを胸ポケットに収納した場合は、雪崩ビーコンまでの距離を30cm程度しか離すことができず、受信距離が86%まで短くなっています。一方、バックパックに収納した場合、受信距離への影響はほとんどなくなります。

ウェアラブルデバイスの影響

ビーコンのみ 53.6m
アクションカメラ
(チェストマウント)
15.9m
アクションカメラ
(ヘルメットマウント)
49.0m
スマートウォッチ
(ビーコンを持つ側)
47.9m

雪崩ビーコンと至近距離になるスマートウォッチはもちろん、機器によっては雪崩ビーコンまでの距離が50cm程度確保されていても、受信範囲が狭まり捜索に支障をきたす可能性があります。捜索に必要のない電子デバイスは電源をOFFにしてバックパックに収納しましょう。

送信側ビーコンへのスマートフォンの影響

ビーコンのみ 53.6m
ビーコンとの距離
(0cm)
48.4m
ビーコンとの距離
(20cm)
51.0m
ビーコンとの距離
(50cm)
53.2m

送信側の雪崩ビーコンとスマートフォンの距離を20cm確保すれば、受信距離への影響はほとんどなくなりました。さらに50cm以上離すと、雪崩ビーコンの性能を最大限に活かす事ができます。

雪崩ビーコンに干渉しない電子デバイスの携行方法

[捜索モードの場合]

  • 雪崩ビーコンと電子デバイスを50cm以上離しましょう。
  • スマートフォンやトランシーバーはバックパックに収納しましょう。特に電源をOFFにできない電子デバイスは、身体をはさんだ位置関係を意識して携行しましょう。
  • ウェアラブルな電子デバイスや、捜索に不要な電子デバイスは、電源をOFFにしてバックパックに収納しましょう。
  • スマートウォッチをつけている場合は、つけていない側の手に雪崩ビーコンを持ちましょう。

[送信モードの場合]

  • 雪崩ビーコンと電子デバイスを20cm以上離しましょう。50cm程度離すと雪崩ビーコンの性能を最大限に生かすことができます。
  • 雪崩ビーコンをハーネスで胸に装着する場合は、スマートフォンを太もものポケットに入れるなどして距離を取りましょう。
  • 影響の大きいアクションカメラは、チェストマウントではなくヘルメットマウントにして、雪崩ビーコンとの距離を十分に確保しましょう。
  • 雪崩ビーコンを太ももの専用ポケットに収納すれば、スマートフォンを胸ポケットに収納しても、50cm程度の距離を確保できる場合があります。