スリーピングバッグの特長

細部まで作り込まれた
機能的なスリーピングバッグ

上質な素材、熟練の技術、そして機能的デザイン。ウエスタンマウンテニアリングのスリーピングバッグが際立っているのは、この3つに徹底的にこだわっているからです。ラインナップは20種類近くあり、野外イベントやキャンプから高所登山の遠征まで、目的に合ったスリーピングバッグをお選び頂けます。

デザインと構造

フードの開口部は顔の輪郭に沿っており、隙間が少ないデザインになっています。また、ジッパーと並行して補強テープを縫い込み、生地との噛み込みを防ぎます。フードを閉じるドローコードの端部に備えた面ファスナーは、不使用時の不快さをなくすためオス側にカバーを設けています。ウエスタンマウンテニアリングのスリーピングバッグはこのような細かなデザインを随所に施し、機能的で長く使えるスリーピングバッグとして信頼を得ています。

スリーピングバッグ概観及び各部説明。フルダウンカラー、リバースディファレンシャルフード、ダブルドラフトチューブ

リバースディファレンシャルフード

ダウンをたっぷり封入したフードが頭部をゆったり包みこむ

フード外側よりも大きい生地を内側に配置。こうすることでフード内側でダウンが十分膨らむことができます。頭部全体はゆったりとダウンに包まれ、フードをきつく締めなくても暖かいのが特長です。

各部の名称:フルダウンカラー、リバースディファレンシャルフード、ダブルドラフトチューブ

フルダウンカラー

首周り全体を覆う、ダウン入りのマフラー

温められた空気は徹底的に漏らしません。「フルダウンカラー」は単なるフラップではなく、ダウンが詰まった立体的チューブ。首回りをぴったりと包み込みます。またドローコードはタイトに締められるよう伸縮コードを使用。ゴア®ウィンドストッパー®のスリーピングバッグのフルダウンカラーは、表地生地と同じゴア®ウィンドストッパー®の素材で作られています。

フルダウンカラーは、ゴア®ウィンドストッパー®の全てのバッグと、高い保温性が必要なバッグに装備しています。

ドラフトチューブ

ジッパーからの寒気の浸入を防ぐダウン入りチューブ

ジッパーの内側に備えられた「ドラフトチューブ」はダウンを封入したチューブで、ジッパー部分から寒気が浸入するのを防ぎます。上側ジッパーのみドラフトチューブを備えた「シングルドラフトチューブ」と、上下のジッパー内にドラフトチューブを備えた「ダブルドラフトチューブ」があります。ダブルドラフトチューブでは2本のドラフトチューブが水平方向に重なるよう配置されており、より高い保温性を保ちます。

ディファレンシャルカット

生地のたるみを排除し、ダウンを膨らみやすくしたカット

「ディファレンシャルカット」とは表地より裏地の面積を小さくしたカットのことです。バッグの外側より内側の円周を小さくすることで、コールドスポットの原因となる内側の余分な生地を排除し、バッグ全体が膨らみやすいようにしています。

ウエスタンマウンテニアリングのマミー型バッグのほとんどはディファレンシャルカットを採用しており、ダウンが十分に膨らみやすく、内側から膝や肘で押されてダウンが潰れるのを防いでいます。マミー型以外のバッグの多くは、ファスナーを開けて平らにしても使用できるよう、ディファレンシャルカットは採用していません。

コンティニュアスバッフル

季節に応じた保温力の調整を可能に

3シーズンモデルのスリーピングバッグは、真夏から冷涼な秋や残雪期まで快適に使用できるよう、広い温度域への対応が求められます。サマーモデルと3シーズンモデルでは、上側(正面側)と下側(背面側)のバッフルが繋がった「コンティニュアスバッフル」を採用。羽毛を上下間に移動させることが可能です。

暑い夏は羽毛を上面から背面へ移動させて上面の保温を少なくし、暑くなりすぎないようにできます。寒冷時には羽毛を上面へ移動させ、保温性を高めることができます。羽毛を移動するには、ファスナーを開けてバッグを平らにし、羽毛を片側から反対側へ手で押し寄せたり、バッグの片側を持って羽毛を揺り落とします。

使用中の羽毛の移動を最小限に抑えられるよう、コンティニュアスバッフルは約13〜14cm間隔に配置しています。バッフルは斜めに立ち上がるよう設計されており、ディファレンシャルカットのスリーピングバッグで各バッフル内の羽毛を最適なバランスで満たすことができます。

コンティニュアスバッフル

コンティニュアスバッフルを採用した構造の断面図

Vブロックサイドブロックバッフル

両サイドに配置されたダウン入りのバッフル

寒冷期では、ダウンが左右に偏らず身体の上面に留まっていることが大切です。この課題を解決するのが、冬用スリーピングバッグに備えられた「Vブロックサイドバッフル」。メッシュ素材で仕切った縦長のバッフルを側面に配し、上面バッフルのロフトの潰れとダウンの偏りを防いでいます。また、バッフルの数が増えるとともに1バッフルあたりのサイズが小さくなるので、内部のダウンの安定性が高まります。

Vブロックサイドバッフル

Vブロックサイドバッフルを採用した構造の断面図

モデルによる多彩な構造

ウエスタンマウンテニアリングのスリーピングバッグは細部まで作り込まれていることで高く評価されています。

例えば厳寒地モデルが装備する「ダブルドラフトチューブ」。このチューブにはジッパーからの寒気浸入を防ぐためダウンが封入されていますが、上下に配した2本のチューブは互いの上下面で合わさるのではなく、側面で接するよう配置しています。このように配置することで、ジッパーを閉めても2本のチューブが互いにつぶしあわず、ロフトを高く保てます。また、シングルドラフトチューブの場合は上からつり下がるように配置し、バッグ内で動いた際に不意にジッパーが露出しにくいように考えられています。

以下の図は、このような一つ一つの特長を分かりやすく表したものです。ドラフトチューブがシングルかダブルか、フルダウンカラーの有無、コンティニュアスバッフルやサイドブロックバッフルのタイプなどが一目でわかります。これらの図は、各スリーピングバッグの製品ページにも掲載しています。

  • スリーピングバッグ断面図:フルダウンカラー、ダブルドラフトチューブ、Vブロックサイドバッフル
    • バイソンゴア
    • プーマゴア
    • プーマMF
  • スリーピングバッグ断面図:フルダウンカラー、シングルドラフトチューブ、Vブロックサイドバッフル
    • リンクスゴア
    • リンクスMF
  • スリーピングバッグ断面図:フルダウンカラー、シングルドラフトチューブ、コンティニュアスバッフル
    • アンテロープゴア
    • アンテロープMF
    • バーサライト
    • アパッチゴア
    • アパッチMF
    • ウルトラライト
  • スリーピングバッグ断面図:シングルドラフトチューブ、コンティニュアスバッフル
    • テラライト
    • タマラック
    • サマーライト
  • スリーピングバッグ断面図:コンティニュアスバッフル
    • セミライト
  • スリーピングバッグ断面図:ボックスステッチ、バーティカルトップバッフル、ソウンスルー
    • カリブーMF
    • ハイライト
  • スリーピングバッグ断面図:ボックスステッチ、ソウンスルー
    • エバーライト
  • スリーピングバッグ断面図:ヨークカラー、コンティニュアスバッフル
    • アストラライト
    • ナノライト
  • スリーピングバッグ断面図:コンティニュアスバッフル
    • スリングライト
  • スリーピングバッグ断面図:トップカラー、シングルドラフトチューブ、コンティニュアスバッフル
    • フライライト
    • モノライト

使用温度域について

ウエスタンマウンテニアリングでは独自の試験や顧客のフィードバック、設計段階の情報に基づき、使用温度域を自主的に検証しています。ほとんどの製品は長年製造されているので、多くのユーザーが検証した情報が集積し、設定の正確さが実証されています。

ENレーティングの試験も実施していますが、独自の温度域のみ公表しています。その大きな理由は、ウエスタンマウンテニアリング独自の温度域が、概ねEN13537のコンフォート設定とリミット設定との中間に位置するからです。ユーザーの感覚を集計した温度域は業界標準よりも控えめです。多くの人がバッグに入って幸せな思いをするように、控えめな独自の温度域を公表することにしています。

公表値はスリーピングバッグを正しく使った場合の最低限の温度です。正しい使い方とは、適切なケアとメンテナンス、睡眠中のスリーピングバッグの位置(正面側が上、背面側が下)、適切なスリーピングマットの使用などです。軽量なエアマットは、湿気を含む呼気で膨らまさないことをお勧めします。氷点下になる場合は特にご注意下さい。

名称と特徴

およそ20種類に及ぶラインナップから、体格や目的に合ったスリーピングバッグを選ぶことは難しくありません。体のサイズを計測し、快適な眠りのために何を必要としているかを考えることから始めましょう。

製品名の末尾が「ライト」のバッグは、エクストリームライトシリーズの超軽量バッグです。軽量コンパクト性を重視するような、ライトウェイト志向の活動に向いています。

スタンダードなマミー型のバッグには、北米の哺乳動物の名称がつけられています。

やや細めのマミー型シェイプのバッグは北米のインディアンにちなんで名付けられています。これらのバッグは重量を抑えながら、高い保温性を確保しています。非常に圧縮性が高く、携帯性に優れています。

収納袋について

全てのスリーピングバッグには、スタッフサックとストレージサックが付属します。

スタッフサックはウレタンコーティングを施した耐水性のある素材を使用しており、下部にはハンドルを備えています。スリーピングバッグを詰め込む際は、スタッフサックの一番奥へ押し込むように詰めて下さい。ゴア®ウィンドストッパー®のバッグは、空気が抜けやすいよう裏返しにした方が詰めやすいでしょう。スタッフサックは保管用に使用せず、スリーピングバッグを持ち運ぶ時にだけ使用して下さい。

ストレージサックは、ダウンを圧縮せず通気性を保った状態でスリーピングバッグを保管する大容量の収納袋です。スリーピングバッグは、常にこのような大きな袋に保管して下さい。これはスリーピングバッグの寿命を延ばすための重要な要素です。